都庁職第1回本部委員会を開催
秋冬闘争に向け当面の闘争方針を決定
2017年7月6日、都庁職は2017年度の第1回本部委員会を開催しました。本部委員会では、今年3月の都庁職定期大会以降の取組み等の経過を確認するとともに執行部が提案した当面の闘争方針を決定しました。
本部委員会の開催にあたり、関根執行委員長が冒頭に挨拶を行いました。関根委員長は、まず7月2日の都議会選挙の小池与党圧勝という結果の根底には、安倍政権の横暴に対する不安と怒りがあると指摘しました。また、小池知事の都庁版「働き方改革」に言及し、知事のトップダウンの手法が職場に混乱を起こしており、職員が安心して働ける状況を作る必要があるとしました。また、今年の賃金闘争では、行(一)1・2級の給与と退職金が大きな争点になるとして「この本部委員会では3月の大会以降の闘争について総括するとともに、当面の闘争方針を討議・決定していただき、今後の闘争等について、本部・支部一体となった運動の前進を図っていきたい」として、組合員の要求実現に向けて本部委員の旺盛な議論を呼びかけました。
当局は現場で都政を担う組合員の意見に耳を傾けろ
第1回本部委員会で決定された当面の闘争方針は、3月14日に開催した第50回都庁職定期大会後の36協定
改定・超勤縮減に向けた取組等や都労連闘争での取組を踏まえ、現時点での到達点と運動の課題を確認し、具体的な運動の課題と進め方を確立し、都庁職本部・支部一体での運動の前進を提起したものです。
当面の闘争方針では、国を巡る情勢として、安倍政権が「共謀罪法」を自公与党などの賛成多数で成立させたこと、森友・加計の疑惑で安倍政権による国政の私物化が明らかになったことなどを指摘しました。その上で、国民の権利、生命の安全と日常生活の安心等を守り、労働者の雇用と賃金をはじめとした労働条件の改善のため、あらゆる領域と課題で安倍政権と対峙・対決して、全力で闘うことが必要だとしました。
都政では、7月2日の都議会議員選挙で、小池知事が代表であった「都民ファーストの会」が55議席を獲得し、公明党などを含めた小池知事与党が79議席と都議会の過半数を確保しました。都議選の結果、今後の都政において、小池知事の掲げる「都民ファースト」が推進されることが考えられます。特に「自律的改革」や「働き方改革」の動きが加速し、「2020年に向けた実行プラン」の内容にも大きな影響があることが予想されます。
当面の闘争方針では、最前線の現場で日々汗を流し都政を担う職員の意見に耳を傾け、真摯な議論と誠実な対応による民主的都政運営を実現させることが提起されています。
公務員労働者を巡る情勢では「国家公務員の総人件費に関する基本方針」など、公務員人件費削減攻撃が続いています。とりわけ退職給付は5年毎の見直しとなっており、4月19日に発表された「民間の退職金及び企業年金の実態調査」では官民の較差が平均78・1万円になったことが報告されています。都当局も、同調査を換算しておよそ80万円の較差との表現をしています。
当面の闘争方針では、国や人事院、都人事委員会の動向を注視し、早期に取組んでいくことが重要であるとしています。
また、地方公務員の臨時・非常勤職員制度では、地公法と地方自治法の一部改正法が5月11日に成立し、2020年4月1日に施行予定です。地方公務員の非常勤職員等の任用制度や賃金制度などの処遇改善は、改正法の内容やその施行を待っているだけでは解決しない課題だとしています。
2017賃金闘争の課題を確認
当面の闘争方針では、闘いの課題と進め方として都労連統一闘争と都庁職の二つの闘いを整理し、取組みを提起しています。
都労連課題のうち、賃金確定闘争については既に都当局が行(一)1・2級の高位号給への問題意識を示していること、退職給付について人事院の調査結果を都に換算した金額を示すなど不当な態度を表明していることを指摘しました。今後、都人事委員会に対し、精確な民間賃金の反映と生活給の原則に立った勧告を求め、都当局と一体となった不当勧告を行わせないことが重要です。都労連各単組と共に、組合員の期待に応える賃金改善闘争に取組みます。
人事制度については、専門性を磨いた職員の正当な評価と処遇の改善のため、複線型人事制度の確立・拡充を求めていきます。
現業人事制度改善については、「1級のまま退職」が出ない制度を目指し、同時に不当な給与水準の回復を目指します。
高齢期雇用制度については、生活できる賃金水準を確保した定年制の延長や労働条件の改善を求めていきます。
臨時・非常勤職員の処遇改善では、都労連は、非常勤職員に、一時金相当額を付加報酬として支給することを要求しています。賃金闘争の重要課題として実現を求めていきます。
都庁職要求を集約し交渉で実現を求める
都庁職課題では、住宅・福利厚生等に対する要求では、福利厚生・労働環境改善要求の実現に取組みます。職員住宅では職員住宅自治会と連携し、改善要望等を集約します。
「都庁働き方改革」に対する取組では、時差勤務の拡大、「フレックスタイム制」と「在宅勤務型テレワーク」の試行など、都当局は「柔軟で多様な働き方」を進めようとしています。これらの早急な検証を求めるとともに、十分な労使協議を求めます。また、実効性のある超勤規制、休暇制度等の改善なども、今後の交渉で実現を求めます。
超勤縮減は継続的に議論を行っていく
経過報告と方針の討議で14名から意見
障害者の雇用及び労働条件の改善に関する要求は、昨年の法改正等を受け、障害をもつ組合員懇談会実行委員会での議論とこの間の取組を踏まえて要求を集約し、要求書を提出します。
非常勤職員・臨時職員等の労働条件改善では、各職場・職種の専門性や困難性、職責等に対応した処遇改善の実現を求めていきます。
島しょ勤務職員の処遇改善では、島しょ組合員の要望や意見を集約し、当局に求めていきます。
超勤縮減については、都当局と継続的に議論を行っていきます。また、36協定改定では、特例上限時間の引き下げ等の長時間労働防止の協議を引き続き行っていきます。
予算・人員については、都庁職からの申し入れにより、職員の勤務条件に密接に関連している事項として、副知事依命通達・局要求・知事査定公表の際に、窓口で内容の説明を受けています。支部・局関係では、これまで行ってきた取組を継続・発展させ、それぞれの職場の事業執行体制を確立する取組が重要です。都庁職は、各支部の取組が一層進むよう、各支部からヒアリングを行い、問題意識や情報を共有化することで、必要があれば機動的に取り組める体制を構築します。
当面の闘争方針では、反戦平和・民主主義を守る闘い、都庁職組織・財政強化の取組についても提起しました。
本部・支部が一体で今後の闘争と課題へ取組む
本部委員会では、経過報告の討議、当面の闘争方針案の討議において、各支部の延べ14人の本部委員から超勤縮減・36協定改定、ストレスチェック、臨時・非常勤職員の処遇改善、予算・人員、方針全体の取組の強化、組織・財政強化、東京都の働き方改革等について、質問と意見が出されました。
執行部からはこれらの質問と意見に対して回答するとともに、当面の闘争方針を補強する意見については、受け止めて今後の取組に活かしていく旨の答弁を行いました。 定期大会以降の経過報告と当面の闘争方針は、それぞれ本部委員会の全体の拍手で、確認・決定されました。
今後、都庁職は本部委員会で決定された方針に基づき、本部・支部が一体となって、今後の諸闘争と諸課題への取組みを行っていきます。 |