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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
抜本的な対応で職場環境改善を

 

超勤縮減及び36協定改定交渉

 

超勤縮減で抜本的対応を
従来の取組では限界に

 都庁では度重なる定数削減を強行する一方で、職員には「質・量」共に高みを無理強いしています。
 その結果、超過勤務の実態を見れば、2010年度に254・2時間であった知事部局等(本庁職場)の一人あたりの超勤は、2014年度には281・5時間となり、4年間で1割以上も増加しています。また、産業医による長時間面接対象者も、2013年度の2995人から2014年度には166人増え、3161人となっています。
 このように超過勤務は年々増加傾向にあります。さらには過労死ラインを超えた長時間労働を余儀なくされた職場労働環境が発生しています。都で働く職員が健康で仕事と生活を調和させ、一人一人が生き生きと働き暮らし続けるためには、超勤縮減の実効性が強く求められている状況下にあります。
 都庁職は、当局に対し、使用者責任として様々な取組を試みても、総じて超勤縮減が進んでいないことについて結果責任を追及し、抜本的な対応を求めてきました。
 今年は、勤務時間制度の見直しや係制の廃止、「ワーク・ライフ・バランスの推進」が掲げられていますが、逆に、職員への負担増も懸念されます。
 超勤縮減の取組を全般的に実効性のあるものにするためには、使用者責任として定時退庁の推進・超勤させないという意識改革の徹底が必要です。また、長時間労働の実態は現場により様々であり、各局・職場での超勤実態の把握と検証を行うとともに、解決するための方策については支部・職場で協議・交渉することが重要であり、それぞれの職場実態に応じた執行体制の確保が不可欠です。

平成28年度超過勤務縮減に向けた取組

1 夏季期間及び年末年始における集中的取組

 夏季期間及び年末年始において、ノー超勤ウィーク等を実施し、一層の超過勤務縮減に取り組むこと。

2 マイ定時退庁日の設定

 一層の定時退庁を促進するため、職員一人ひとりが、少なくとも月に1日定時退庁する日(マイ定時退庁日)を定め、各職員が定めたマイ定時退庁日をスケジュール表等で共有するなどの取組を実施すること。

3 年次有給休暇の一層の取得促進

 「年休取得促進月間」において、積極的な年休所得を促進すること。また、年休取得目標(管理職:最低10日、一般職員:最低15日)の達成に向け、管理職・一般職員ともに月1日以上の取得に努めるとともに、管理監督職は所属職員の年休所得状況を把握し計画的取得を促すこと。

4 資料請求、調査依頼時の締切配慮

 急な資料請求や調査依頼等を行わないよう、相互に配慮しあうこと。

5 長時間労働面接対象者の適切な把握

 各所属長は長時間労働面接の対象となっている職員を随時把握し、長時間労働が連続する場合などには適切に業務を配分すること。

超勤縮減及び36協定改定に関する要求書を提出

 こうした中、当局は4月8日「平成28年度超過勤務縮減に向けた取組」を各局へ通知しました。これに対し、都庁職は4月28日の大委員会交渉で、有給休暇の取得促進や長時間労働防止の取組において一定の改善はあるものの、昨年度の取組について労使で検証を行ったものでなく、内容も抜本的な改善に繋げるには不十分と指摘しました。また、3月24日に提出した「実効ある超過勤務縮減の取組に関する緊急要請書」に留まらず、都庁職は職場実態を踏まえた「超勤縮減及び36協定改定に関する要求書」を提出したところです。都庁職は、超勤縮減に関して主に次の要求内容を掲げて交渉しました。
(1)全庁的な超勤縮減について、職員一人当たりの超勤縮減の組織目標を定めるなど、実効的な取組の推進に加え、管理職による労働時間の正確な把握等
(2)長時間労働面接対象者の把握により対象者が確実に減少するよう踏み込んだ方策を示すとともに、長時間労働面接対象者の実態把握と改善
(3)昨年度の超勤実績・職場実態を踏まえ、労使が逐次検証を行う必要があることから、通年的に交渉すると共に局・支部等で具体的状況に則した交渉の補償などを求めました。
 また、36協定改定に関しての主な交渉内容は、
(1)超勤の上限時間・休日労働の制限日数の引下げ
(2)特例協議の上限時間の引下げ、とりわけ労働災害における過労死等の認定基準を上回る超勤縮減対策
(3)夜勤労働者に対する超勤縮減に関しては、方策等を協定に明記
(4)支部・局、分会・事業所間での協議の保障などを求め、2015年度の特例協議の状況・回数をはじめ、労基署・人事委員会からの改善指導があった場合の実態などの情報提供や監理団体への適切な指導を行うよう求めました。

超勤縮減の実効性向上を

 当局からは、「東京都職員ワーク・ライフ・バランス推進プラン」について、女性活躍推進法の施行を踏まえ改定し、「生産性向上に向けた能力開発・働き方改革」を取組の方向性に掲げ、今後も超勤縮減や年次有給休暇の取得促進に取組むことで、業務の繁閑に応じたメリハリのある業務執行を実現する。さらに、今年度から実施している係制廃止や時差勤務拡大などの取組を通じて、職員一人ひとりの働き方改革を一層進めていくと表明されました。
 都庁職は、こうした使用者責任による働かせ方改革の押付けではなく、職場実態に応じた超勤縮減の実効性向上と適切な執行体制の整備を求めて、今後とも取組を進めていきます。

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