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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
中立・公正な立場で賃金の改善を
東京都人事委員会に要請

 

国に先駆けて高齢期雇用制度の確立を

 

 都庁職は、3月22日、東京都人事委員会に対し、2016年人事委員会勧告に関わる要請行動を実施しました。
 冒頭、野沢副委員長が「2016年人事委員会勧告作業に関する要請書」を手交し、最初に昨年の人事委員会勧告について、「例月給・一時金とも2年連続の増改定ではあったが、行(一)、医(二)(三)の1・2級の高位号給の改定据置は、都政の最前線で働く中堅・ベテラン職員へ冷や水を浴びせるものである。一時金の引き上げ分をすべて勤勉手当に振分け、査定幅拡大にまで言及したことは、中立・公正な第三者機関としての立場を逸脱し、都の職責・能力・業績主義による人事管理施策を後押しするものである」として、強く抗議しました。
 次に「国に先駆けて定年年齢の繰り上げを行い、高齢期雇用制度を確立することを強く求める。現行の再任用職員の賃金については、無年金期間でも従来の生活を維持できる水準を求める」と発言しました。
 その後、大嶋賃金部長より「2016年度人事委員会勧告作業に関する要請書」に基づき、22項目の要請事項について具体的要請を行いました。

東京都人事委員会は本来の役割を果たせ

東京都人事委員会への要請行動
 主な要請項目は、(1)地域手当の本給繰入により、島しょや都外公署に勤務する職員との制度的な矛盾拡大の解消と具体的な改善措置勧告、(2)首都圏の住宅事情を反映した住居手当の支給額大幅引き上げ、(3)大都市東京の生活実態に見合った、標準生計費の算定方式の見直し、(4)昇給カーブのフラット化拡大を許さず、都職員の生計費保障を基本とした給料表の構造の改善と、すべての職員の処遇確保の観点に基づき、昇給メリットの格差拡大や管理職優遇につながる改悪反対、(5)短時間勤務制度の賃金・労働条件と雇用確保の保障、賃下げなきワークシェアリングの具体化など、職場の意見・要望を踏まえ、十分な労使協議による制度設計と合意を前提とした検討を求めています。
 さらに、(6)育児・介護を行う職員の超過勤務規制の徹底と、実効ある超過勤務縮減の勧告、ワークライフバランス推進の観点から、休暇制度の拡充や制度活用を可能とする条件整備、(7)職場での男女平等の実現や、福利厚生制度・福祉施策の拡充、「仕事と生活の両立支援」のための具体的措置、「次世代育成支援対策推進法」を踏まえた不利益排除と、代替制度などの職場環境の整備、(8)メンタルヘルス対策として、具体的施策検証と、使用者責任を明確に示し、予防や円滑な職場復帰などへの踏み込んだ報告(意見)、(9)パワーハラスメント対策として、実態の検証と防止に向け実効ある報告(意見)、(10)障害者採用にあたり、昨年報告(意見)した合理的配慮の提供の具体化と、採用条件における自主通勤要件の撤廃、雇用枠と雇用領域拡大による雇用率アップと、一般職員採用を含めた国籍条項の廃止、(11)安易に国の動向に追随せず、地方自治・地方公務員制度の理念、都の実態、労使交渉の到達点などを十分尊重し、労働基本権確立をはじめとした民主的公務員制度の実現を求めています。
 人事委員会からは「最近の経済状況は、資源国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある」「主要企業の春闘状況は、円高や世界経済の減速懸念などを背景に、3年連続でベースアップとなるが、妥結額は昨年を割り込む回答が相次いでいる」との報道内容から、「今後は中小企業等への波及が焦点になるが、民間の春闘結果が、都の例月給の公民較差や特別給の状況に影響を与えるため、引き続き動向を注視する必要がある」と見解を述べました。
 また、個々の要請内容については、今後の調査結果を踏まえながら検討していくこととなる、としながらも、高齢期雇用制度については「政府は年金支給開始年齢の引上げ時期ごとに、定年延長を含めて雇用と年金の接続に関して検討することとしているので、今後も動向等を注視していく」との態度を示しました。
 この間、都側と一体化して、労働基本権制約の代償措置として中立・公正な第三者機関としての役割を放棄している人事委員会に対し、本来の役割を果たすように闘いで包囲していく事が重要です。

2016賃金闘争の主要な課題

 このほか、都労連が3月3日の中央委員会で決定した今年の主な闘争課題として、(1)高齢期雇用制度として、政府が国・地方ともに、2018年度まで検討を先延ばしした定年延長の結果を待つことなく、定年延長を決断すること、無年金期間が最長2年となる今年度において、再任用職員の給与水準の抜本的な改善を求める、(2)級格付者の現給保障と降級の実施時期の2年先送りと関連し、課長代理級職選考での資格基準改善や、主任級Bや技能主任職昇任選考での級格付者の在職実態を踏まえた合格枠増を実現する取組み、(3)下位の昇給区分と監督職の3号昇給付与率5%の設定が、今年4月から実施されたことに伴い、本人通知の状況の把握・分析と、労使検証を通した人事考課制度の抜本的な改善の取組み、(4)「『都庁 組織・人事改革ポリシー』で掲げた方向性を踏まえ、拡充を図っている複線型任用体系の推進について、労使で意見交換する」との都側最終回答から、複線型人事制度の拡充と都労連人事制度改善要求の実現、(5)今年4月から一般職非常勤制度として再編された非常勤職員制度について、休暇制度等の改善の進展に加え、報酬額支給とする現行制度から、地公法に基づく給料及び一時金、諸手当等の支給への転換と、常勤職員との賃金面での均等待遇実現が上げられます。
 都庁職は、都労連に結集して闘っていきます。

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