都人事委員会は賃金要求を勧告に反映せよ
2015年人事院勧告 月例給
一時金ともに2年連続で引上げ
月例給は平均0.4% 一時金0.1月をプラス
8月6日、人事院は本年の国家公務員給与等に関する勧告を行いました。
勧告の主な内容は、月例給は官民較差0・36%(1469円)を受け俸給表を平均0・4%引き上げとするとともに、一時金は0・1月の引き上げ、地域手当見直しの前倒しを実施、勤務時間の弾力化としてフレックスタイム制の拡充を行う等となっています。
月例給及び一時金ともに2年連続で引き上げとなるのは24年ぶりとなりますが、引き上げ幅は小さく、実質賃金の引き上げには程遠い内容であると言わざるを得ません。
2015年人事院勧告のポイントと問題点
1 月例給については、俸給表の平均改定率を0・4%とし、初任給及び若年層は2500円、その他は1100円の引き上げとしています。
国家公務員は、昨年の賃金確定時の「給与制度の総合的見直し」により、4月から俸給月額が平均2%(最大4%)引き下げられていますが、経過措置としてほとんどの国家公務員に現給補償が措置されています。そのため、俸給表が改定されても、そのほとんどが現給補償の措置額にあてられるため実質的な賃上げはわずかになっています。
2 勤務時間に関する勧告では、原則としてすべての職員を対象にフレックスタイム制を拡充するとしています。また、報告の中では、超勤縮減に積極的な姿勢を示していますが、実効性のある縮減策は示されていません。
フレックスタイム制は、育児・介護等に配慮した柔軟な働き方を可能とする要素はあるものの、住民サービスに直結し、組織として業務を行っている地方自治体にはなじまない制度であり慎重な検討が求められます。
3 再任用職員については、定年前職員と同様に俸給月額1100円の引き上げを勧告していますが、無年金期間の生活を支えるべき給与水準の抜本的な改善は見送っています。
定年延長に関して「公務内外における高齢期雇用の実状等の把握に努めつつ、雇用と年金接続の推進のため、適切な措置が取られるよう必要な対応」を行うと言及するに留めている状況です。
現業職員については、昨年の人事院勧告では「技能・労務職員の在職実績や民間同種の従業員給与等の状況を注視していく」としていましたが、本年の勧告では何ら触れられていません。
今年の秋冬闘争の課題
都庁職は、8月20日に東京都人事委員会に対し要請を行い、公平・公正な自主的立場に立って勧告を行うことを求めました。
今年の秋冬闘争においては、月例給・一時金の大幅引き上げ、地域手当の本給繰入、島しょ勤務職員の不利益解消、定年延長を基本とした高齢期雇用制度の確立、無年金期間の拡大を踏まえた給与水準の改善、臨時・非常勤職員の処遇改善、成績率の三年目の検証など多くの課題があります。
当面の取り組みとしては、都労連が提起している「全職員署名」に全力で取組むとともに、賃金・労働条件の改善を勝ち取るための対都闘争を強めなければなりません。都労連・都庁職要求実現に向けて、粘り強く闘いましょう。
|