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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
安心して働き続けられる職場を

 

超勤縮減・36協定改定交渉へ

 

 オリンピック・パラリンピックの開催と「東京都長期ビジョン」を踏まえた、2015年度の事業が各局で始まっています。職員一人あたりの業務が増大する中、都庁職が求めているのは、まず働く者の健康、そしてワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)です。都庁職は、超勤縮減・36協定(時間外・休日労働に関する協定)改定の交渉を精力的に取り組んでいきます。

 

増大する超過勤務の縮減 個人の努力には限界

 

  昨年11月に過労死等防止対策推進法が施行され、長時間労働後の健康障害についての調査や、長時間労働抑制の数値目標の設定等が盛り込まれた「大綱案」が議論されるなど、社会的に関心が高まっています。
 都庁の状況を見ると、公表された2014年度上半期の超勤実績では、特に本庁においては7・3%と大幅に増加しています。
 当局の説明では、長期ビジョンの策定など突発的な事態への対応ということでしたが、本庁・知事部局の職員の年間平均超勤時間を見ると、2001年度には約200時間であったものが、2013年度には270時間を超えるなど、長期的にも増え続けています。
 4月7日に通知された「平成27年度における超過勤務の縮減に向けた取組について」では、夏季・年末年始の集中的取組、マイ定時退庁日、有給休暇取得促進、資料請求・調査依頼等の締切配慮の4点に取り組むとしていますがこれは、昨年と同じ内容です。また、管理監督者だけでなく、職員自らの計画的・効率的な業務執行についても言及しています。
 しかし、今後は「長期ビジョン」に関連した新規事業やオリ・パラ開催準備など、業務量の増大が予想されます。昨年の労使交渉や安全衛生委員会でも、超勤縮減策や長時間労働を行った職員への効果的な面接勧奨などについて議論していますが、職員個々の取組では限界があります。

 

職場意見に基づくワーク・ライフ・バランス推進を

 

 当局は、3月31日に「東京都職員ワーク・ライフ・バランス推進プラン」(以下「推進プラン」という。)を発表しました。
 「推進プラン」では、「仕事と生活の調和」に、「キャリア形成」と「職場の危機管理」を主軸にすえた「都庁版ワーク・ライフ・バランス」を推進するとした上で、様々な施策が盛り込まれています。これには都庁内に保育所を設置することも含まれています。また、育児中の職員のキャリア形成、職場の危機管理としての仕事と介護の両立支援、生産性向上に向けた能力開発・働き方改革の3つの方向性が挙げられています。
 都庁職は、健康で安心して働ける職場の実現のためのワーク・ライフ・バランスを求めており、そのための休暇・休業制度の充実や、超勤縮減、年次有給休暇などの権利行使ができる環境が必要だと考えています。
 しかし、「推進プラン」においては、育児・看護をキャリア形成や職場の危機管理の問題としたり、超勤縮減を生産性向上の問題として、係制廃止と関連付けるなど、都庁職とは視点が異なっています。
 超勤縮減・36協定改定の交渉は、各支部の意見を集約した方針を決定し、4月下旬から開始します。昨年までの交渉では、超勤の実態について明らかにさせるとともに、実効性のある超勤縮減施策の実施、支部・局における超勤縮減委員会の設置、36協定改定では、超勤上限時間の引下げ等を求めてきました。
 昨年度は、「育児又は介護を理由とする時差勤務」の導入について支部・局を含む労使交渉を行いましたが、早出勤務を含む時差勤務を職場全体の努力で実施しても、超勤縮減が伴わなければ実効性がありません。

 

恒常的な超勤がない職場環境の整備を

 

 労働基準法は、原則すべての労働者の最低労働基準を定めたもので、法定労働時間を守ることが基本です。時間外・休日勤務は例外であり、36協定を締結した場合に限り、その範囲内での勤務時間の延長が可能とされています。
 都庁のような官公庁においては、法律上、36協定の締結は必要ないとされていますが、時間外労働が恒常的なものになり、36協定職場の特例上限720時間を超えて、千時間越えの実態がある以上、もはや、放置は許されません。
 都庁職は、超勤縮減、ワーク・ライフ・バランスの推進には、業務執行体制の整備が不可欠であると考えています。なんと言っても、業務量に見合う人員体制の確立です。
 2015年度の東京都職員定数(知事部局等及び公営企業)は41年ぶりに50名の増員となりました。しかし、オリ・パラ開催準備等で大幅な人員を割き、各局の既存事業の円滑な実施に対する懸念が噴出しています。
 オリンピック・パラリンピックの成功のため全庁を挙げて一丸となること自体を否定はしませんが、その陰で、今まで以上に超過勤務が増加し、健康を害する職員が一人でも出れば、決してオリンピック・パラリンピックが成功したとは言えないはずです。
 「推進プラン」においても、「従来のアプローチのみでは超過勤務の大幅削減は困難」と言わざるを得ない状況です。
 都庁職は、予算・人員が労働条件を決定する大きな要素であることから、過重労働の解消、労働安全衛生の確保の視点から、新規事業の実施や組織改編、事業の廃止・委託化などについては、当局に対し、支部・職場段階から積極的に情報提供を求め、働きやすい職場を実現するよう取り組みます。

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