国の「総合的見直し」先取りを許すな
当局「給与制度全般の見直し」に言及
都労連は、5月14日に団体交渉を行い、夏季一時金についての要求書を提出しました。また、都人事委員会勧告に向け、4月24日、人事委員会要請を行いました。14年間の賃金抑制攻撃に歯止めをかけ、大都市東京の生活に相応しい賃金水準確保を目指して、闘いをすすめます。
人事制度改悪による人件費抑制反対
高齢期雇用制度のさらなる充実を
国は、「給与制度の総合的見直し」の検討を求めていますが、都においても、昨年の人事委員会勧告において、国の動きを先取りするような「給与制度全般の見直し」に言及しています。また、現在行われている労使交渉では、能力・業績主義の強化、課長補佐ポストや係・主査体制のあり方等の問題意識を示すなど、一般職員の給与制度、給料表・諸手当など給与制度全般のあり方を見直しの対象としています。これは、国を先取りする賃金削減攻撃であるといえます。
14年に及ぶ賃金抑制、消費増税の中、再任用職員の賃金改善も含め、大都市東京の生活実態に則した賃金改定と人事制度改悪阻止の闘いを強化しましょう。
監督職の処遇改善が課題
当局は、4月23日、都労連との小委員会交渉の中で、「現行の係・主査体制では組織上の限界がある」とする考えを示しました。課長補佐ポストの約2割に係長級職員が従事し、団塊の世代の活用を目的として係長・担当係長・主査・次席とした区分の意義も薄れてきたと述べています。
しかし、都労連も反論している通り、課長補佐ポストの欠員は、設置ポストへの計画的任用を怠ったことが主たる要因です。現行の係・主査体制の困難さは、業務の高度化・複雑化とその業務量に見合う人員が配置されていないことが原因であることは明らかです。
これに何の対処をせず、いきなり制度見直しに言及することは、自らの人事管理上の責任をどう考えているのかが問われることであり、当局の姿勢には大変な問題があります。
今、必要なのは、監督職の処遇改善を行い、職員が展望を持って働き続けられる職場をつくることと、その活性化を図ることです。
再雇用を含む多様な働き方を認めろ
高齢期雇用制度は、年金支給開始年齢の段階的引き上げに伴い、一昨年の闘争で決着できず、異例の事態として年度末ギリギリまでの闘いとなり、1年越しで、昨年の確定闘争の重要な課題となりました。
最終的に、「フルタイムのみの任用」という当初提案を跳ね返し、短時間再任用の選択肢を残しました。
この大きな闘いは、高齢期雇用制度が、いかに組合員にとって自らの生活設計に関わる重要な課題であり、死活問題であったかを示しました。夜勤を含むローテーション勤務の職場では、無年金期間の所得補償として現実的選択肢の確保が必要でした。
この間、当局は、昨年の再任用制度に引き続いて、全国に先駆けて労使協議で確立してきた再雇用制度について、管理運営事項であるとの問題意識を示しています。
再雇用制度は、歴史的経緯やその後の制度改正の経過から見ても、労働条件そのものであり、その他臨時・非常勤制度とともに、労使交渉事項であることは間違いありません。ワーク・ライフ・バランスの実現の観点からも、労使協議による高齢期雇用制度の充実が求められています。
再任用・再雇用についてどのような改善が必要か
職場から闘いで賃金・人事制度の改善を
当局は人事制度の改悪による総人件費抑制をすすめようとしています。これは、公務員賃金水準の引き下げを狙う国の「給与制度の総合的見直し」を先取りするものです。私たちの生涯賃金の圧縮に繋がりかねないこうした動きには、警戒を強める必要があります。
公務員賃金は、制度的には第三者機関である人事院・人事委員会の勧告に依拠しています。そのことの問題性は指摘しつつ、制約された状況にあっても賃金・人事制度という労働者にとって極めて重要な事項について労使協議を尽くし、納得と合意の上で進めることが使用者としての道義的・社会的責任です。
都庁労働者に対するこの間の賃金抑制攻撃や人事制度改悪による職場の差別・分断により職場はどうなってしまったのでしょう。恒常的超過勤務の蔓延、真っ暗な中での昼食とその中での卓上ライトによる業務継続、隣の仲間とのメールを通しての会話、等々、この様な非人間的な職場環境の中で都民=人のための施策ができるのでしょうか。
都庁職は、非人間的な労働からの組合員の解放と真に都民のための都政運営の実現に向け、困難な状況下であっても、職場からの運動を基軸に諸要求の実現に向け奮闘します。共に闘いましょう。
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