職場はいま 各支部リレー〈5〉 住民に応える図書館行政に
教育庁支部
教育庁支部は、教育委員会事務局と都立図書館が主な職場です。青年の家や体育館、教育研究所などの施設が廃止又は移管され、都教委が「学校教育委員会」化する中、メンタル面での病休者が多い状況です。
不払い超勤手当の支給を求めた裁判を起こし、2010年に原告が勝利しました。その後事務局での超勤支給状況は改善しています。平和運動への関心が高く、原水爆禁止世界大会に40年以上に渡り、カンパで代表を派遣しています。
ヒト、モノ、知識の継承を
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都立中央図書館(港区) |
都立図書館は中央図書館と多摩図書館の2館です。日比谷図書館は、2000年に千代田区に移管されました。
中央図書館は、調査研究と区市立図書館への協力事業を柱とした個人貸出をしない図書館で、1973年に開館。各階にテーマ分けされた資料と相談カウンターがあり、専門の係がありました(主題室制度)。開館時に採用した司書は団塊の世代で、和気あいあいと活発に議論しながらサービスにあたってきました。
しかし、2001年に「都立図書館のあり方検討委員会」が設置され、サービスの後退、変質が始まりました。
図書館資料は、永年保存から現有書庫容量内での保存に方針が変わりました。これまでは複数部あるものを処分してきましたが、このままでは毎年、新着資料分の既存資料を捨てることになります。貴重な資料が押し出されてしまわないよう、永年保存方針と書庫容量増が必要です。
司書は長年採用が抑制され、非正規化の動きもあります。団塊世代退職後の新規採用者に対する技能継承、専門性の構築深化が問題です。
数の維持も大事ですが、都政リストラで主題室制度が廃止され、書架整備、データ作成など多くの業務に委託が導入されたことで、司書が資料や利用者に接する機会が減り、経験を積むことが困難になっています。司書の専門性を高めるためには、主題室制度と書架整備のような日常業務も必要です。
初めに結論ありきで職員の意見を封殺する運営は職場の士気を阻害しています。2014年度の企画展示のテーマは都政と関連づけたものに限られました。住民の興味関心、資料要求は都政に限られるものではなく、根本的には社会教育の存在意義や人権に関わってくる問題です。
希望が持てる職場を目指して
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中央図書館の閲覧室 |
教育問題は関心が高いのですが、主義主張が先行して、専門職の置かれた実情がなかなか理解されない面もあります。
図書館の問題では、これまでも利用者団体、関係労組と連携して運動してきました。今後とも民主的な教育、明るい、やりがいのある職場を取り戻すため、努力していきます。
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