都民の生活を守る都政運営へ
行政責任を果たせる体制確保を
「世界一の都市、東京」を掲げる予算が成立し、新年度がスタートしました。消費税増税や社会保障制度の見直しで格差社会の歪みは拡がり、公共サービスの担う役割は高まっています。都民の生活を守る都政運営と行政責任を果たせる執行体制確保に向け引続き取組みを強めましょう。
安倍政権は、2020年のオリンピック・パラリンピック開催を機にして、東京を経済活性化の中軸として位置付け、さらに「国家戦略特区」に指定し、施設整備やインフラ整備を理由に公共事業を拡大して、国家予算を注ぎ込もうとしています。また、東京都は新年度予算を舛添知事の公約に基づき、「『世界一の都市、東京』の実現に向けて、新たな一歩を踏み出す予算」として位置付けています。
舛添都知事は、都議会第一回定例会において、「3つの世界一」を掲げ、「世界一安全・安心、世界一福祉先進、史上最高・世界一のオリンピック・パラリンピック」の実現を目指すと表明しました。
現在、東京都が抱える課題は、少子化による人口減少、高齢者対策、直下型地震などの災害対策、老朽化したインフラ整備などがあげられます。
しかし、都民生活の安全・安心に重点をおいた政策が必要であり、東京都は、そのための予算・執行体制確保に重点をおかなければなりません。
政府は、地方自治権拡充に反する法人住民税の一部国税化を実施し、法人事業税暫定措置も延長しました。国策に追随し、住民福祉の充実が脅かされることがあってはなりません。
都政を支えるのは職員
昨年度の超過勤務実績は、縮減方針にもかかわらず増加傾向にあります。
2014年度知事部局等職員定数は、96人削減となりました。オリンピック・パラリンピック関連の増員があったものの、業務見直しや現業退職不補充、業務委託拡大など、スクラップ・アンド・ビルド方針は継続され、職員定数は削減され続けています。また、定数削減の振替で非常勤職員が増加し、職員の1割に達しようとしています。
行政の役割を果たすための職員定数が不足していることは、明らかです。
予算編成方針では、「必要な体制・人員を措置する」として、2014年度都職員採用予定者数は技術職を含めて前年度より90人増としています。
石原都政では、1万人を超える定数削減や医療・福祉をはじめとする事業の民営化が推進されました。
公共サービスの現場を担ってきた職員の知識や経験、技能・技術の継承が危ぶまれています。
都政を支え、公共サービスの担い手として行政水準を確保してきた職場と職員を尊重し、執行体制を確保することを求めて、取組みを強めていきましょう。
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