行政の責任を果たせる組織・定数を
7月11日、予算・人員基本要求を提出
猪瀬都知事は、9月7日のオリンピック・パラリンピック開催都市決定に向け、都議会定例会でも招致の決意を表明し、さらに「都市力」を強めるための「東京24時間」構想を表明しました。大規模都市開発をさらに進めるのか、増税、社会保険料の増、雇用に苦しむ都民の生活を重視する都政にするのか、14予算・人員要求実現の取組で自治体本来の役割を果たせる体制確保のために闘いましょう。
安倍政権の経済対策、いわゆる「アベノミクス」は、2001年以降の小泉政権による、規制緩和を主体にした米国型の新自由主義政策が基本となっています。
デフレ脱却と景気回復を掲げた「金融緩和」と大胆な財政出動は、「異次元の金融緩和策」として実施され、日銀の国債大量買入れによる金融市場への膨大な資金供給は、急激な円安・株高をもたらしました。
しかし、一方で長期金利の上昇、株価の乱高下による金融市場の不安定化、さらに円安の影響を受けた燃料関係をはじめ輸入物品の高騰、電気料金の値上げ、住宅ローンの金利上昇等で国民生活にマイナスの影響が出始めています。
「実態なき経済」と膨大な赤字国債を抱える日本経済は依然として不安定で危機的な状況にあります。政府は、労働法制改悪、社会保障削減、増税を推進する「2013骨太方針」を6月14日閣議決定しました。
この「聖域なき見直し」の復活は、国民に対し、雇用や労働条件の規制緩和、高齢者医療等の受益者負担増、生活保護をはじめ社会保障費全体の更なる削減となります。
都民の暮らしを守る施策の拡充を
国税庁の調査によると2012年のサラリーマンの平均年収は409万円となり、15年前と比較すると58万円下がっています。
非正規雇用は12年前と比較して15・4%増加し、36・2%、2012年の完全失業率は4・3%で依然高い水準にあります。
猪瀬都知事は、就任以来「2020年の東京」に基づくオリンピック招致、アジアヘッドクォーターの実現、東京の国際競争力強化などに重点を置き、今年度予算執行の依命通達では、「先駆的な取組により国を動かし、民間活力を引き出す新たな東京モデルを発信」「東京から日本を支える」として、政府の「骨太方針」にある「国際競争力のある大都市形成」「公的部門の改革」「公的市場への民間参入促進」を先取りして推進しています。
政府は、来年度予算編成に向け、消費税引き上げを検討するとしています。
復興増税(所得税13年1月、住民税14年6月導入)に加え、社会保障費の増は実質賃金を低下させます。
貧困と格差が拡大し、高齢化社会が進む大都市東京のなすべき重点施策は、生活重視・セーフティネット機能の充実です。
行政機能を高める執行体制・人員配置を
都庁職は5月23日各支部担当者会議を開催し、来年度予算・人員要求実現に向けた重点課題として、恒常的超過勤務の解消と事務量に見合った人員配置、現業退職不補充の撤回、非常勤職員の処遇改善、人材育成などを確認しました。
知事部局の職場実態は一人も削減できない厳しい状況です。加えて業績主義・人事考課制度の強化は、チームワーク破壊や精神的重圧など職員の肉体的精神的疲労感は増しています。
当局に職場の実態を突き付け、実効ある協議を追求しなければなりません。
7月11日には、「2014年度予算・人員に関する基本要求」を当局に提出し実現を求めました。
都庁職は、執行体制の危機的状況の改善を求め、来年度予算・人員要求実現に向け職場を基礎に闘いを進めていきます。 |