共に生きる社会・職場をつくろう
― 障害をもつ職員が平等に働ける環境を ―
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第35回懇談会報告集をご活用ください。 |
東京都が国際障害者年をきっかけに身体障害者を対象にした採用を開始してから32年が経ちました。
都庁職は当事者を中心に「障害をもつ組合員懇談会」を開催し、1984年から「障害者の雇用及び労働条件の改善に関する要求書」を当局に提出し改善を求めてきました。
就労環境や労働用具の整備、庁舎のバリアフリー化、給与支給方法、自己申告提出方法、健康診断など、障害をもつ職員が働き続けるために必要かつ切実な要求は少しずつ改善されてきましたが、都政の構造改革・リストラが進む中で、適職職場の統廃合や民間委託による職場確保・異動問題、大幅定数削減による「少数精鋭」「効率化」優先の事務運営による厳しい職場環境となっています。誰もが安心して働き続けられるために、都政リストラ反対と障害者要求の実現は不可分の闘いです。
東京都は、障害者雇用について法定雇用率(今年度から2・3%)を上回る3%確保を方針に掲げています。しかし、知事部局の昨年の雇用率は2・6%423人で、10年前の3・31%に比して減少しています。
都は雇用拡大について、平成24年度に「障害者非常勤職員制度」創設、知的障害者・精神障害者のチャレンジ雇用等の取り組みを行っているとしています。しかし、依然として、身体障害者採用(3類)では、「自力により通勤でき、かつ介護者なしに職務の遂行が可能な者」という要件があります。「自力通勤」については、一部他府県では要件としていません。また、受験方法についても点字試験を導入していません。福祉C、事務(1・2類)、理学療法の採用に点字試験を導入していますが、重度視力障害者の採用は少ないのが現状です。
「合理的配慮」の実現を
国連で採択された障害者権利条約では「合理的配慮」という新しい概念が定義されました。
日本政府は批准に向け関係国内法を整備するとしています。「合理的配慮とは障害者が他の者と平等に全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」と定義しています。
雇用における「合理的配慮」とは、障害をもった人たちが障害のない人たちと共に働けるような条件を提供することではないでしょうか。
「自力通勤」の撤廃、試験に点字や音声パソコン等を導入することは、障害者権利条約を具体化する要求です。重度の障害者に対する「ワーク・アシスタント」制度は、働く環境の拡大に繋がります。
「共に生きる」職場をめざし、着実に要求実現を目指しましょう。 |