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特殊勤務手当妥結
厳しい攻防の末削減防止 手当額据置で決着
2012特殊勤務手当改定交渉において、当局は、都庁職が提出した各支部からの改善要求には全く応えず、「一律支給」を理由とした3手当(税務事務特別手当、職業訓練指導員手当、小笠原業務手当)については、都庁職との協議を尽くしたうえで提案するとしながらも、見直しありきの硬直的な交渉態度に終始しました。都庁職は、専門委員会交渉における徹底反論、屋外集会、三役要請、さらに29分職場大会などの大衆行動を配置し交渉に臨んできました。
その結果、手当改善はできませんでしたが、現行手当については据え置きとさせ、労使の論点整理を行うことで妥結となりました。
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特勤・団体交渉 1月24日 |
2012賃金確定闘争が決着し、2012年度特殊勤務手当改定の交渉(以下「改定交渉」)が再開されました。今「改定交渉」において、当局は最終局面まで具体的提案を行わず、当局が検証対象とした税務事務特別手当、職業訓練指導員手当の2手当について手当が措置されてきた経過や性格を見直す考え方に固執してきました。
その一方で、都庁職の改善要求については現場調査を限定し、職場の切実な要求に応える姿勢ではありませんでした。
2012年7月12日に開催された第1回専門委員会交渉で、当局は、「特殊勤務手当の基本的な考え」として以下の内容を示してきました。(1)労使間で協議の上、検証対象とする手当を選定、(2)検証対象とした手当について、必要に応じ労使で現場調査を実施、(3)現場調査等を踏まえ、当局の見直し案を提示する。
都庁職は前提として、「都庁職が改善要求をしている特勤手当についても検証対象とすること、及び現場調査の実施を協議すること」を当局に確認しました。
さらに、(1)これまでの改定で、特殊勤務手当は抜本的・徹底的に見直しされてきたこと、(2)前回の見直しでも現場調査も踏まえて徹底的に検証されてきたものであり、手当支給の趣旨は一切変わっていないこと、を基本として今回の交渉に臨むという「対応方針」を決定し交渉に応じることとしました。
「一律支給」手当の懸賞に要求で対峙
当局は、8月9日の第3回専門委員会交渉において、検証ポイント(2)の「一律に支給されている手当」を理由に「税務事務特別手当」「職業訓練指導員手当」「小笠原業務手当」の3手当について検証対象とすることを提示し、都庁職は3手当を検証対象とすること自体に反論しました。
その後、現場調査の実施箇所を確認し、9月13日(主税局(本庁各部)、12月7日千代田都税事務所と立川都税事務所、12月14日中央・城北職業能力開発センター板橋校と多摩職業能力開発センター、12月15日から20日にかけて小笠原支庁、12月25日には駒込病院、今年1月10日に食肉市場の現場調査を実施してきました。
また、都庁職は12月4日の第5回専門委員会交渉において、各支部の要求に基づく「都庁職特殊勤務手当改善要求書」を提出しました。
当局の「考え方」に全面的に反論
当局は、1月11日の第6回専門委員会交渉で、この間の労使合同現場調査を踏まえた「当局見解」を示してきました。「当局見解」は、当局が提示した3手当を中心に、労使合同現場調査を踏まえることなく、都庁職要求にも応えることなく、手当の全面改悪・廃止につながりかねない不当な内容でした。
都庁職は、1月16日の第7回専門委員会交渉で、税務連合支部の「税務事務特別手当の支給改善を求める要請署名」(2、525筆)を手交し、「当局見解」に対して「特殊勤務手当の現場調査における都庁職見解」を示して反論しました。
一方当局は「都庁職の改善要求」に対する見解を示してきましたが、その内容は、「3年前からの見直し時から、業務の危険性・困難性の増大等の変化はなく、当該手当を措置すること、増額を図ることは困難」として、ほとんどの職場の現場調査を行うことなく、要求を退けるような内容であり、都庁職は強く抗議しました。
当局の不誠実な姿勢を改めさせ、要求実現に向けて1月18日(金)には8支部の職場代表の要請を実施し、1月21日の第8回専門委員会交渉で、都庁職は「労使合同現場調査」や「都庁職の改善要求」に対する「当局見解」に対して詳細な反論を行い、再考を求めました。
1月22日の第9回専門委員会交渉で、当局から税務事務特別手当、職業訓練指導員手当について「見直しの考え方」が示されました。都庁職は、(1)手当が措置されてきた経緯や性格を無視し、手当の否定にも繋がりかねない、(2)その他業務との類似性を強調し業務の専門性や特殊性、困難性を否定するもの、(3)職業訓練指導員としての一連の業務を業務ごとに分割し、専門性・困難性を否定するもの、として反論し労使の主張は鋭く対立し、平行線となりました。
労使双方の論点整理を確認
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特勤闘争総決起集会 1月23日 |
都庁職は、改悪阻止・改善要求実現に向けて、労働支部や税務連合支部の独自集会や署名活動などの取り組み、都庁職としてのステッカー闘争、交渉情報のFAX速報を発行、1月23日都庁職総決起集会、交渉の山場である1月25日に「29分時間内職場大会」を配置して闘いを展開しました。とりわけ総決起集会は、当局に都庁職の闘う意志を強く示すものとなりました。
さらに、1月23日には平行線となった交渉を打開するため、三役による労務担当部長要請を実施し、手当の改悪につながる「考え方」の見直しを強く求めました。
1月24日の第10回専門委員会交渉において、当局から見直し提案があり、当局と「考え方」が鋭く対立していた税務事務特別手当と職業訓練指導員手当については見直しを据置、今交渉期のお互いの主張について論点整理した内容を確認しました。
1月24日の拡大闘争委員会でこの当局提案を現時点での一定の到達点として受け止め、妥結を確認しました。
都庁職は、今交渉では見直し・改悪攻撃を阻止しましたが、当局の執拗な攻撃をはね返し、改善要求実現に向けて各支部と連携した取組の強化を行っていく決意です。 |