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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
知識やノウハウが培われる諸制度を

 12賃金確定を経て、昨年末、TAIMSに「強みを育て、頑張りに応える人事制度へ」(以下『強み』)が配信されました。12確定では「成績率」「退職手当」「係長任用」で厳しい判断をすることとなりましたが、到達点と課題について、『強み』に則して見ていきたいと思います。

「少数精鋭」=「小さな政府」

 都当局は、1996年の「成績主義白書」を皮切りに「人事制度白書」(00年)、「人事制度白書2」(02年)をまとめてきました。ベースは新自由主義に先鞭をつけた日経連の「新時代の日本的経営」(95年)です。
 今、都当局は枕詞に「少数精鋭」を連呼しますが、財界の意を受けた国が行政改革で打ち出してきた「小さな政府」、行革・定数抑制(削減)方針に他なりません。
 「人事制度白書2」で積み残したものは、(1)管理職の年俸制、(2)全職員への成績率導入でした。12確定は一昨年からの闘いとなりましたが、人事制度白書から連綿と続く攻防でもありました。
 現在、人事考課制度は「目標管理」を謳っていますが、当初強調された「チャレンジ目標」はこの間取り下げられました。また「人事制度白書2」で「係長予備的選考」を否定し導入した「係長級の本人申込制」も、「基準を満たした者」からの選考へとなりました。
 『強み』は都当局が「人事制度白書2」で積み残した課題に一応の区切りをつけた「都における人事制度」の完成型といえます。

職責重視の行きつく先は

 「人事制度」における当局のもう一つの枕詞は「職責(・能力・業績)による…」です。
 都当局は、2011年の「これからの人事制度の基本方向」の中で、(1)この10年間で職員の半数が退職し…「長年『現場』で培われてきた知識・技術、ノウハウの喪失」を懸念する一方で、(2)65歳まで現役同様に働ける環境整備も欠かせない、としました。
 これから退職を迎える職員層は、知識・技能、ノウハウを後輩に伝え職場を支えるべく努めてきました。その「喪失」を懸念するならば、55歳昇給停止や退職手当の引き下げなど論外です。しかし当局の基本方針は「職責」による処遇です。
 「職責」があがることの基本は局間異動です。新たな職場で、知識やノウハウは改めてスタートです。加えて、小数精鋭(定数削減)で職場はOJTもままなりません。
 一方で、人事院が「雇用と年金の接続」について、定年延長を掲げたのに対し、政府(行革実行本部等)はフルタイム再任用の義務化としました(係員等の適正を有しない場合任用しない)。
 さらに、12確定では国の削減方針もあり退職手当の見直しも、予断を許さない状況でした。
 こうして、「職責」を重視し、結果として高齢期層のモチベーションを著しく損なう『強み』につながる一連の改悪提案に至ったといえます。

全職員に成績率3年後に検証

 成績率は主事・主任級の一律拠出を0・02月に圧縮させ「上位・中位・下位」の区分とさせましたが(係長級以上0・06月、最上位・上位・中位・下位)、25年6月の勤勉手当から適用されます。
 12確定では成績率の運用実態を3年後に労使で検証することを確認するとともに、苦情相談事例についても労使で検証することとなりました。
 このことは、職員全員が経験と知識を積み重ね、業務運営が行なわれている事の検証でもあります。

現業(担任技能長の新設)

 05年の級格付制度廃止から、長年にわたる闘いの一定の到達点です。
 担任技能長(仮称)制度のポイントは、(1)1人職場でも設置される、(2)局選考、(3)昇任時の異動は行わない、ということです。今後の課題は技能職員への合格枠の拡大等となります。
 担任技能長(仮称)制度の詳細については、1月から都労連と当局の間で詳細が明らかにされる予定です。

退職手当の見直し

 『強み』では退職手当の見直し(引下げ)にも言及しています。
 12確定との関係では、主事・主任のポイントを当初提案より加算させ、引き下げ率額の圧縮を図りましたが(支給率を1/4づつ引下げ調整額は1/4づつ引き上げ)、職責による支給格差拡大の歯止めには至りませんでした。
 今年度末に定年退職を迎える方は、現行制度より、△69万9千円(主事)〜△63万2千円(課長補佐)となり、本則(平成27年4月以降)では、△272万21千円(主事)〜246万8千円(課長補佐)となります。

夏季一時金改定までに

 「高齢期雇用制度」について、6月を目途に協議が行なわれます。都労連(都庁職)の「雇用と年金の接続」についての要求は明確であり「定年延長」が基本です。
 当面、フルタイム再任用(短時間勤務も選択可能)を求め、「雇用の義務付けの例外」を排し、無年金期間における生計費の確保を前提に、現行を上回る給与水準を求めています。
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