都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
公共サービスの最前線 今年も奮闘します

 2013年がスタートしました。石原都政を引き継ぐ、猪瀬新知事が昨年末就任し、私たちを取り巻く状況は依然として厳しさを増しています。
 都庁職は、誰もが安心して働き続けられる労働条件確立を求め、支部・組合員とともに一歩ずつですが前に進んでいきます。
 昨年の厳しい確定闘争結果を重く受け止め、丁寧に分析するとともに、組合員への周知に取り組みます。「引き続き協議事項」となった「高齢期雇用制度」、今年こそ解決しなければならない島しょ・都外公署の格差是正や、現在取り組んでいる特殊勤務手当をはじめとして、今後の引き続く課題に果敢に挑んでいかなければなりません。
 2013年の年頭に当たり、4支部より寄稿いただいた職場の抱える課題と、昨年の賃金確定闘争を経て、都当局より全職員に配信された人事制度の問題について、掲載しました。職場からの要求の実現をめざし、都庁職は今年も奮闘していきます。


抗がん剤取扱いの安全性と手当を=病院支部

病院支部
 最近の抗がん剤治療の進歩には目を見張るものがあります。例えば、がんの死因の第3位である大腸がん。今までは手術が難しかった進行がんでも、抗がん剤治療を先行させ病巣を縮小させてより効果的な手術が可能になりました。
 このように抗がん剤は、患者さんにとっては命を守る薬です。しかし、抗がん剤には、それを取り扱う医療従事の健康を脅かすリスクがあることは、ほとんど知られていません。
 私たち、病院支部では、抗がん剤を取り扱う薬剤師の労働環境の安全性を高めることと、抗がん剤取り扱い業務を特勤手当の対象にするように要求しています。
 抗がん剤の発がん性については、国際がん研究機関(IARC)が指摘しています。
 抗がん剤は、患者さんにすぐさま使用できる状態で病院に届くわけではありません。医師が患者さんの状態に応じて計算した薬剤量を、アンプルや瓶から吸い出して点滴できる状態にしなければなりません。この時、微量に抗がん剤が漏れ出し、これが健康リスクに繋がります。
 現在、都立病院において、薬剤師が抗がん剤の調剤を行っています。がん拠点病院である駒込病院では、全ての病棟・外来の抗がん剤ミキシングを行い、扱う抗がん剤の量は膨大です。安全キャビネットを使用し、保護ガウン・手袋・マスク・ゴーグル・キャップをつけ防御しながら作業を行っていますが、一日中調剤室に閉じこもっての業務は多くのリスクと隣り合わせです。

ミキシングは困難業務

 特勤手当の対象は「著しく困難・危険・不健康」です。それならば、自らの健康をリスクにさらして抗がん剤を取り扱う業務は、当然対象に含まれるべきです。
 都立病院の薬剤科は、若い女性が大勢働く職場です。抗がん剤暴露のリスクから最大限防備するための設備・被曝検査が不可欠です。
 病院で働くには多くの健康リスクがあります。本来は人員増により抗がん剤に暴露する機会を減らすことが必要なのですが、それでもリスクをゼロにする事はできません。都は病院で働く困難性を認識して特勤手当の改善を行うべきです。


看護専任教員は教育職と同じ=衛生局支部

旧都立豊島看護専門学校
旧都立豊島看護専門学校
 都内には、7校の都立看護専門学校があり、私たちは、看護専任教員(以下看護教員と略)として働いています。看護教員になるためには、5年以上の臨床経験と、看護教員養成研修を1年間受けて勤務します。
 看護教員の職種は、保健師、助産師、看護師ですが、その業務内容は保助看法に規定する業務とは異なり、看護学生の教育活動(看護学の教授・実習指導、学習指導、面接、相談、さらに入学式、体育祭などの行事や、入学試験の運営、国家試験対策など)に当たっています。教育活動を行うためには「看護実践能力」に加え「教育」「研究」「コミュニケーション」「マネジメント」等の能力が求められ、臨床から異動してきて、すぐに教育活動が行えるものではありません。
 看護教員は、都(福祉保健局・病院経営本部)の看護職全体の2・9%と少数ですが、各学校1〜2人の欠員が生じています。
 夜勤はありませんが、看護教員の業務は多岐にわたり、授業準備や研究活動は職場だけでは完結せず、休日勤務等は常態化しています。特殊性の高い業務であるにもかかわらず、制度上の特別な位置づけ(職場配置として)がないため、処遇面で特別な措置はありません。このことが、職種的魅力を大きく減殺し、看護教員の希望者が少ない大きな原因の一つです。

教育職給料表を適用する県も

 看護大学が新設される中、ベテラン看護教員の引き抜きも行われ、全国的に見ても看護教員は不足している状況です。看護教員の募集を行っても集まらず、都立病院で看護教員を希望しても、看護師不足で異動も困難な状況です。定年退職者もいるため、ますます看護教員が不足することが予測されます。
 看護専門学校をもつ28の道府県のうち18が、看護教員に手当てを支給しています。また、看護学校在職中は教育職給料表を適用するなどして措置しているところもあります。臨床では、リスクマネジャー、認定看護師等について手当が措置されており、これらと比較しても、看護教員にも手当ての措置が必要です。


主税局職員には専門知識が不可欠=税務連合支部

品川都税事務所
品川都税事務所
 私たち主税局職員は、都の行政にあって唯一税の賦課徴収を行っている部署です。
 大まかに言えば地方税として、課税部門として事業を行っている法人と個人の申告による課税、土地や家屋など資産を持っている法人や個人への申告によらない行政としての課税と徴収部門として納税期限までに納付されなかった税の強制を含む徴収に大別されます。
 税務行政は、景気や社会情勢を敏感に反映します。特に今日のように経済の長期後退(負のスパイラル)とそれによる先行きの見えない経済状況の中にあっては、いやおうなく税への意識は高まり、税の課税にあたってはその根拠と内容について詳細な説明が求められ、理解を得るには、国の税法の他、課税にかかわる様々な関係法令(商法、民法など)も身に着けなければなりません。
 また、税を納められない方が増える一方、悪質な税逃れもあり、親切丁寧な対応とともに時として毅然たる対応も求められます。一納税者の窓口対応に何時間もかかると言うこともしばしばです。映画やテレビの税金マルサとしての対応も求められます。

知識と経験継承し税務行政を推進

 また、税法は時々の政策により毎年のように変わります。法律が変わればそのもとに定められる条例や規則、通達などが連動し時には大きな業務変更も伴います。
 身近なところでは、石原前知事になってから、政策推進の名のもとに多数の条例改正がされました。今年も東日本大震災にかかわり防災として実施される木密地域不燃化10年プロジェクトの推進による税の減免も実施されます。
 私たちが対応するのは、税理士、公認会計士、弁護士など税や資産に関連する資格を持った専門家との対応や国税職員と対等の業務など、きわめて専門性や困難性を持った業務を行っています。
 こうした専門家としっかり対応できるベテランには一朝一夕ではなれません。新人が身に着けるのは大変ですが、職場ではベテランと一体となって業務を推進することで揺らがない税務行政を推進しています。


職業能力開発センターは「人づくり」の場=労働支部

都立多摩職業能力開発センター
都立多摩職業能力開発センター
 都の公共職業訓練は、これまでの技術専門校が改編され、現在4箇所の職業能力開発センター、9箇所のセンター校、東京障害者職業能力開発校を中心に実施されています。センターには、機械系、電気系、建築系、化学・印刷系など、様々な訓練科目があり、ハローワークから紹介される離転職者や、高校等の学卒者、障害者の方など、たくさんの訓練生を受け入れています。従来の若年者雇用やものづくりの技能継承といった側面だけでなく、「第2のセーフティネット」の1つ、失業・福祉対策として、国の政策の中でも重視されるようになってきています。
 2011年4月には、多摩センターが、昭島市の「産業サポートスクエア・TAMA」内に移転・新築しました。また、軽度知的障害者訓練の展開や、国委託訓練の事務集中化、地域の能力開発拠点としての役割も期待され、これまでの「職業技術専門校」を超えて、多様な訓練生の受け入れ、新しい事業展開を行っています。

新しく仲間となった指導員のために

 しかし、技術専門校の組織は変わっても、知識・技術を単に学ぶだけでなく、「人づくり」の場だということは今も昔も変わりません。社会人としての基本的な生活指導を含め、生徒と全人格的に関わらなければならないこともあります。また、教材の作成、訓練用機械のメンテナンス、就職支援、就職後のフォローまでも行っています。訓練に当たる職業訓練指導員の仕事は、深く多岐多様です。
 ここ数年、団塊の世代の指導員が次々と再任用終了となり、指導員の新規採用が復活しています。新しい仲間を迎え、現場にも活気があります。
 今、特勤手当の改定問題で、私たちの職場が取り上げられており、昨年末には多摩・板橋の2校に現場調査がありました。
 調査に当たる都庁職と総務局の方々には、全ての訓練科目を見ていただき、現場から、訓練職場の実態について説明をしました。
 後に続く職員のためにも、支部一丸となって頑張っていきます。
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