都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
HOME 都庁職へようこそ 見解 都庁職新聞 ギャラリー リンク
HOME > 都庁職新聞 > 2013年1月号
都庁職新聞
 
島を忘れない
今年も世界遺産の地で(小笠原)

 小笠原は「東洋のガラパゴス」と呼ばれ、動植物が独自に進化している点が高く評価され、一昨年に世界自然遺産に登録されました。また、周辺には数多くのクジラやイルカ等が生息していることや、アオウミガメの産卵地でもあることから、観光客が急増しています。現在、小笠原に勤務する都の職員は94人。自然を見守り、くらしを支えています。

島のくらす人も別天地と称賛する南島は、沈降カルスト地形として、国の天然記念物に指定されています。扇池前の砂丘にはヒロベソカタマイマイの半化石が数多くみられます。(南島・扇池)
島のくらす人も別天地と称賛する南島は、沈降カルスト地形として、国の天然記念物に指定されています。扇池前の砂丘にはヒロベソカタマイマイの半化石が数多くみられます。(南島・扇池)
 東京から南に約1、000キロメートル離れた小笠原諸島は、島民が暮らす父島や母島のほか、聟島列島、父島から300キロメートル南の硫黄島がある火山列島、日本最東端の南鳥島、最南端の沖ノ鳥島などの島々のことをいいます。
 かつお鳥が迎えてくれる父島までは、竹芝桟橋から週1便の定期船「おがさわら丸」で片道25時間30分。母島へは「ははじま丸」に乗り換えて、さらに2時間10分かかります。東京と父島の間の交通手段は、1968年にアメリカから返還された当時から週1便の定期船しかなく、所要時間こそ返還当時の「椿丸」の44時間に比べて短くなりましたが、まだまだ東京から遠い東京の島です。

25時間30分と2時間10分

共勝丸とおがさわら丸(右)
共勝丸とおがさわら丸(右)
 また、東京から遠く離れているため、衣料品や食料、ガソリン等の生活物資、建築・土木資材等産業物資のほとんどが、「おがさわら丸」や貨物船「第二十八共勝丸」による輸送ですが、「おがさわら丸」は貨客船であるため、危険物等を積み込むことは出来ず、多くを「第二十八共勝丸」に頼っています。
 これら物資の輸送には当然費用がかかるため、一部の生活物資を除き、物価は本土より高くなっています。
 都庁職は昨年9月、島しょ支部との交流、組織化の一環として、小笠原支部を訪れました。
 小笠原支庁には、事務職、技術職のほかに、海技職、園芸職、畜産職など様々な職種の職員が勤務し、島民の命やくらし、産業振興等日夜奮闘しています。特に海技職員は、漁業調査指導船「興洋」に乗り、遠くは父島から約1、000キロメートル南西にある沖ノ鳥島まで行かなければなりません。

さらに1,000km 沖ノ鳥島にも

小笠原支庁母島出張所
小笠原支庁母島出張所
 急患が発生した場合、他の島しょと異なり、東京まで直接ヘリでの搬送が出来ません。そのため、東京までの搬送は、都知事による要請によって、自衛隊が救急搬送を行うため、急患発生時にも支庁が対応しています。また、台風が接近しやすい場所であるための台風対策や、東日本大震災時での津波警報等災害対策等昼夜を問いません。
 そのため、夜間等勤務場所に近いところで生活をしていることもあり、夏休み等長期休暇は、東京などで過ごさなければ休んだ気がしないという職員もいますが、東京までの往復だけでも、4日は必要となります。
 また、医療機関が乏しく、抗がん剤治療等を受ける場合でも、東京では通院による治療が可能ですが、島しょの医療機関では、治療することが出来ないことから、休職した上で東京にて治療を受けなければなりません。
 このように島しょでの勤務には、東京での勤務にはない苦労や不便さのなかで職務に精励しています。また、東京と比べて高い物価や、私用で東京に行く場合の交通費等経済的な負担もあります。

世界遺産を守るためにも

小笠原PHOTO
 しかし、地域手当と特地へき地手当との逆転現象があり、島しょ勤務では、一定の現給保障もありますが、給与が下がることになります。その上、小笠原勤務に支給されている特殊勤務手当を削減することは、小笠原勤務を希望する職員がいなくなることになりかねません。
 都庁職は今年も、都労連とともに小笠原をはじめとする島しょ勤務の労働条件・賃金改善に奮闘する決意です。
ページのトップへ戻るページのトップへ戻る
 

Copyright (C) Tokyo metropolitangovernment laborunion.