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36協定、超勤縮減交渉
年度主義化を強く要求 夜勤の超勤制限は個別協定で
都庁職は、6月5日に開催された第3回36協定超勤縮減小委員会において、2012年度36協定の基本協定について妥結しました。基本協定改定要求は前進せず、不満は残りますが、年度主義化等に関して一定の前進がありました。今後は実効ある個別協定の締結に向けた、各支部交渉が重点となります。
過重労働等で追求
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都労連5月闘争、5・25決起集会 |
5月8日の第1回小委員会で「36協定改定ならびに超勤縮減に関する要求書」を手交。基本協定に関しては(1)超勤の上限時間、休日労働日数の引下げ。(2)時間外労働と休日労働の事由の区分。(3)特例条項の超勤時間の引下げ。(4)協定期間の年度主義化。(5)特例協議の状況・回数の検証。(6)夜勤の超勤制限等を要求。
超勤縮減に関しては(1)支部・局での超勤縮減委員会の設置。(2)カードシステムによる超勤・休日勤務時間の把握。(3)超勤実態の局・部・課・月別の提示。(4)長時間労働の是正勧告制度。(5)産業医面接の受診率向上の方策等を要求してきました。
また、超勤縮減を見据え、36協定超勤縮減委員会の通年開催や、節電対策による定時退庁の取り組み等も示すよう求めました。
5月14日、第2回小委員会では、要求を巡り以下の協議を行いました。
〈実労働時間の増加抑制〉
当局 週休日変更による休養の付与等、実労働時間の増加抑制は担保されている。
都庁職 業務量の増大で週休日変更ができる状況になく、休日労働が増えている。
〈超勤事由〉
当局 個別協定で各事業所が実情に応じて定めるもの。超勤時間と休日労働の事由を区分する必要はない。
都庁職 「労働時間等見直しガイドライン」で休日労働を削減することが「特に必要」とされており、ワークライフバランスの観点から再度の見解を。
〈特例条項の上限時間の引下げ〉
当局 公務運営上、緊急性、切迫性の高い業務が想定される。一律引下げは妥当ではない。
都庁職 月120時間、年720時間超えは超勤常態化だ。特例条項の『臨時性・突発的なもの』から逸脱。過重労働を協定上で認めることはできない。
〈カードシステムによる超勤時間の把握〉
当局 職員は超勤又は休日勤務を行った場合はカードリーダー等の操作を勤務終了時に行うとしている。
都庁職 実態を見ていない。「カードシステム出退勤関係事務処理要領」に沿った調査・改善を。
一定の前進を確認
6月5日の第3回小委員会は最終交渉となり、5点について確認しました。
(1)年度主義化について、異動時に前所属における特例協議の回数及び超過勤務の時間数について新所属に引き継ぐよう周知する。
(2)夜勤の超勤時間制限については個別協定で定めることが適当。
(3)不十分ながら「36協定職場における特例協議の実施状況」を提示。
(4)本庁の毎月の超勤実績を、通年で全職員に公表。
(5)「36協定超勤縮減委員会」の通年開催について、超勤実績の状況を確認しながら協議をすることの重要性を認識した上で、次回の開催を確認。以上を踏まえ、支部(分会)・局(事業所)での個別協定締結のための協議期間を考慮し、妥結を判断しました。
妥結にあたって、旧16号職場(労基法)も含め、全職場に、当局責任で交渉結果を周知することを確認しました。この交渉の到達点を踏まえ、個別協定の締結に向け、各支部の取組みをお願いします。
夏季一時金闘争妥結
都労連の「夏季一時金要求」、「一時金の『支給対象・割合・加算制度』の改善要求」、「夏季休暇改善要求」に対して、5月30日の小委員会交渉及び団体交渉において、当局の最終回答が示され、夏季一時金は条例・規則通りの支給など、不満な回答ではありますが、現時点での到達点と判断し、妥結となりました。
今回の交渉は、夏季一時金等の要求に加え、3月に収束し、継続協議とした当局の人事制度の見直しに関する3提案、そして都労連人事制度改善要求が協議されました。
この間の交渉で、当局は春闘期と同様に、自らの提案に固執し、何としても実施したいと強硬な姿勢に終始し、都労連が求める現業系人事制度改善を始めとする基本要求については、一切応えませんでした。
成績率の拡大阻止
5月30日の団体交渉において、当局は「現下の厳しい状況を十分に考慮し、都民の理解と納得が得られるかという視点から慎重に検討を重ねた上で判断した」として、「現行の条例、規則通り、1.9月分(期末1.225月分、勤勉0.675月分)を、また再任用職員は、0.975月分(期末0.65月分、勤勉0.325月分)を6月29日に支給する」と回答しました。
夏季一時金関連要求の回答は、組合員の要求からは程遠く、不満の残るものですが、6月期における「成績率の拡大」を阻止するなど当局提案の人事制度の見直しは、秋の賃金確定交渉期までに引き続き協議とさせました。また現業系職員の「職の設置」については、「必要に応じて労使合同による職場実態調査を行う」との回答を引き出しました。
12確定へ結集を
これらの結果を受け、都庁職は同日、第3回本部委員会を開催し、19時30分妥結を批准しました。
賃金確定闘争に向け、当局提案の人事制度の見直しに加え、高齢期雇用問題、退職手当、住居手当など、課題が山積しています。諸要求実現に向け、引き続き、都労連・都庁職への結集をお願いします。 |