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「2012年当面の闘争方針」を決定 ― 都庁職第2回本部委員会
不当な公務員バッシングとの全面的な対決を!
都庁職は4月17日、第2回本部委員会を開催し「2012年当面の闘争方針」を決定しました。この闘争方針は、夏季一時金闘争をはじめ人事制度や36協定締結を含む超勤縮減、予算・人員闘争など2012年確定闘争期を見通した当面する具体的な取組について提起しているものです。
「当面する賃金闘争」
今年2月に、人事院勧告の0.23%削減を昨年4月に遡って実施した上で、2012年度から2年間にわたって平均7・8%の削減を行うという「国家公務員給与削減法」が成立しました。労働基本権の回復は先送りしたまま、代償措置である人事院勧告を無視し、議員立法による法案提出で賃金引き下げを押し付けることは二重の憲法違反です。
さらに地方公務員への影響を与える附則が盛り込まれていますが、国と同様の措置を押し付けることは、地方自治の原則に反するものであり、すでに約6割の自治体で独自の賃金削減を行っている実態から見ても、断じて認められるものではありません。
こうした公務員賃金の削減は、民間における賃下げに繋がります。いま社会に求められているのは、労働者の賃下げ競争ではなく、労働者の賃金を改善し、個人消費を拡大させることによるデフレからの脱却です。今のままでは、内需を冷え込ませ、「財政再建」にも逆行するものです。
今後も公務員バッシングの不当性を明らかにし、不当な給与削減に反撃する闘いの強化を図ります。
また、2013年度からの年金支給開始年齢の引き上げに伴う雇用と年金の継続を図る高齢者雇用制度の拡充をめざす闘いも重要な段階を迎えています。
政府は「今後の高齢者雇用対策について」の厚生労働省「労働政策審議会」の建議を踏まえ、3月23日に「国家公務員の雇用と年金の接続に関する基本方針」を発表し、定年延長を見送り、「再任用の義務」の方針を決定しました。
この「再任用義務化」では雇用の継続性・給与水準・現行任用制度との関係など極めて問題のある内容となっており、雇用と年金の接続に向けた取り組みの強化が重要になっています。
「人事制度の見直し」交渉
都当局の「これからの人事制度の基本的方向」による人事制度の見直し交渉は継続しており、引き続き最重要課題となっています。
昨年の確定闘争では、具体的な提案をさせませんでしたが、早急な協議開始の合意を踏まえ、現業系人事制度の職の設置のあり方をはじめ、都労連要求を踏まえ労使協議を尽くすことを前提に、昨年12月21日に「(1)55歳超昇給停止 (2)成績率の全職員への適用と拠出原資の拡大 (3)係長級昇任選考の本人申込制の廃止」の提案を受け、異例の春季闘争を闘ってきました。
春季闘争では、提案の4月実施を断念させましたが、都当局は夏季一時金交渉期を目途に合意を得たいとしており、引き続き闘いの強化が求められます。
都当局は、人事制度に関わる3提案だけではなく、退職手当の見直しや住居手当制度にまで問題意識を一方的に表明し、都労連要求には具体的検討状況も示さない不当な対応に終始しています。都当局の交渉態度を糾弾し、一方的な問題意識に基づく提案は撤回させ、都労連要求による人事制度の改善を求める闘いを強化します。
36協定・超勤縮減の闘い
職場実態を無視した大幅定数削減や組織見直しにより、労働強化が進行し、労働密度の高まりとともに、恒常的・慢性的な超過勤務の解消にはほど遠い現状です。労働時間の短縮・超過勤務の縮減は喫緊の課題となっています。
都庁職では、5月8日に「36協定超過勤務縮減委員会」での交渉を開始しました。5月中の36協定締結と旧16号該当職場の超勤縮減に向け、通年的な協議や各支部・局との間にも「超過勤務縮減対策委員会」の設置を義務付け、実効ある協議を行うよう求めています。
2013年度予算・人員闘争
石原都政は「2020年の東京」に基づく大規模開発を中心とする都政運営を強行する姿勢を示し、住民の福祉の増進という自治体本来の役割を縮小しようとしています。職員定数についても、引き続き現業職員の退職不補充や非常勤職員等の不安定雇用・民間委託の拡大など「構造改革」・都政リストラ方針を貫く姿勢を変えようとはしていません。
こうした都政運営の転換、劣悪な職場環境の改善をめざす「2013年度予算・人員要求実現に向けた闘争計画」を策定しました。闘争計画の実施にあたっては、年度当初に担当者会議を開催し、方針・計画の充実を図ります。 |