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人事制度問題に関わる当局3提案
決着は夏季一時金交渉期へ ― 当局、4月1日実施を断念
11確定闘争からの結果を受け、12月から、交渉を重ねてきた人事制度問題に関わる当局3提案について、当局は4月1日実施を断念しました。これにより異例の都労連「春季闘争」は一旦「収束」となりました。しかし、当局は引き続き「夏季一時金」交渉期を目途に結論を得たいとしています。当局提案を阻止し、都労連要求の実現に向け、引き続き都労連に結集し、闘っていきましょう。
都労連春季闘争 ― 交渉再開にいたる経過
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3・23都労連第ニ波総決起集会 |
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3・23都労連対都要請(都庁職発言) |
11確定闘争は、当局が最後まで固執した人事制度の見直しについては提案を断念させ、妥結に至りました。しかし最終団体交渉において、当局が「『基本的方向』の具体化に向けて、協議すべき事項については早期に協議を開始する」「要求されている制度改善要求事項についても、引き続き議論を重ねる」としました。これに対し、都労連は、「現業、非現業の人事制度要求や高齢者雇用制度の確立など、都労連要求の解決に向け、引き続いて労使協議を尽くすものと確認する」とし、見直し提案の押し付けではなく、未解決のまま持ち越されている都労連要求についても、踏み込んだ議論を行うことを前提に、協議の再開と当局提案を受けることとしました。
12月21日、当局は「基本的方向」に基づく具体的内容として、(1)55歳超職員の昇給停止、(2)勤勉手当の成績率の全職員への適用と拠出原資の増額、(3)係長級職昇任選考の本人申込制廃止の3課題を提案し、交渉が再開されました。
この提案に対し、都労連は不当な内容であるとして、直ちに撤回することを強く求め、都労連要求については、特に現業系人事制度の職設置のあり方等について、直ちに協議を進めることを求めてきました。
1月以降、交渉を重ねても、当局は自らの提案を押し付けるとともに、順次提案するとして、制度に関わる当局の問題意識ばかりを表明し、都労連要求については、一切その検討状況を明らかにしませんでした。
二波の集会、要請で反論
これに対し、都労連は、当局の問題意識について反論し、当局の不当な交渉態度を糾弾。2月には、早朝宣伝行動、総決起集会、ステッカー闘争、所属長要請等の行動を多くの支部組合員の協力の下で実施しました。その結果、当局が3月8日の中途議決に持ち込むことを断念させました。さらに29日に戦術としての時間内29分職場集会の配置を決定し、9日の団体交渉において、28日までに回答するよう迫りました。そして22日に早朝宣伝行動を、翌23日には、第二波総決起集会・対都要請行動を実施し、要請では、各単組・職場から、提案は直ちに撤回し、都労連要求である現業系人事制度・人事考課制度の抜本改善を行うよう求めました。
この間、都庁職では、他の5単組とともに各闘争に積極的に取り組み、2月20日には総務局要請行動も展開し、さらに都庁職独自の行動として、異例の春季闘争の内容を周知するため、当局提案直後と回答指定日前の2回にわたって全組合員机上ビラ配布を実施しました。
総務局要請行動では、多くの職場から、「少数精鋭」方針による職場の実態が述べられ、具体的には、ベテランの退職や局間異動等で赴任する係長職の負担増や、超過勤務の多い職場でワークライフバランスは実現できない、所属長が公正な人事考課をすることが可能なのか等々の発言があり、都庁職として、当局提案は都民サービスの視点からみてもマイナスにしかならないと訴えてきました。
3月議会条例提案阻止
回答指定日の3月28日に当局から回答が示され、提案については、(1)「年度内に労使の結論を得ることができなかった」とし、本都議会への条例改正案の提出は見送り、(2)「夏季一時金交渉期までを目途として、結論が得られるよう、引き続き協議を進めたい」としました。また都労連要求については、(1)「現段階において結論を出すことが困難」であり、要求解決に向けた回答を示せないとの結論に至ったとし、(2)現業系人事制度について、公務における職設置の根本原則を逸脱できないとし、「職場や職務の実態等も勘案しながら、更なる工夫の余地があるか否か、検証しなければならない」とするものでした。また、都労連の基本要求書でも要求している「人事制度検討会」の来年度以降の継続設置については「平成24年度も引き続き設置する」こととし、「人事考課制度等について必要に応じ議論を行う」としました。
これを受け、都庁職としても、不満な内容であるが止むを得ないものと判断し、都労連の「春季闘争収束」の判断を受け入れ、18時30分からの拡大闘争委員会において29分時間内職場集会の中止を確認しました。
引き続き闘いの強化を
今春季闘争では、3提案の4月実施を断念させたものの、当局は夏季一時金交渉期を目途に合意に至りたいとしており、早期に提案してくるものと思われます。また、「これからの人事制度の基本的方向」については、今回の提案以外にも人事制度全般にわたる様々な見直し内容が含まれており、当局は「順次具体案を示す」と交渉中に繰り返し言明しています。加えて、国家公務員の賃金削減、雇用と年金の接続、退職手当など、都庁労働者にも大きな影響を与える課題が山積みしています。
都庁職は、引き続き今後の闘争に備え、現業職員の賃金・給与制度改善や、人事考課制度の改善、職場実態に見合った高年齢期雇用のあり方など基本的な態度を明らかにし、都労連要求の実現に向けて、取り組みを強化していきます。
組合員のみなさんの一層のご協力をお願いします。 |