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2012年度東京都予算案 一般会計6兆1,490億円
投資的経費8年連続増
各局所要人員要求23人増だが知事部局160人減
全職員に成績率/55歳超の昇給停止/係長選考見直し
改悪提案阻止
2012年度東京都予算案が公表されました。「総額抑制・重点的配分予算」としながらも投資的経費は引き続き増額し、一般会計は7年連続で6兆円を超える莫大な予算です。職員定数は知事部局で160人の削減が強行され、都民施策の充実と安定的執行体制確保とはかけ離れた内容です。
石原都知事が4期目の立候補を宣言した3月11日、東日本大震災が発生しました。都知事は率先して災害対策に従事する姿勢を選挙戦で展開し、都政運営についての総括や方針論議は後方に置いたまま再選となりました。
東京都は、大震災を受けて「都政運営の新たな戦略」として「東京緊急対策2011」「防災対応指針」を策定し、昨年12月「大震災を乗り越え、日本の再生を牽引する」として「2020年の東京」を公表しました。
「高度な防災都市の実現」「分散型エネルギー社会の創出」他8項目の目標を掲げ、防災対策を前面に打ち出しながらも、「10年後の東京計画」から引き続く東京湾や外環道など都市インフラ整備を中心に据えた大企業の利益を優先した政策の継続であることに変わりはありません。
今年も大企業優先
「予算案」は、都税収入が5年連続して減収となったことや経済の低迷を理由に「総額抑制」を強調しながらも「経済への波及効果の高い投資的経費など、真に必要な施策を厳選して財源を重点的に配分した」と説明しています。
一般会計は前年度比1.4%減ですが、6兆1、490億円という大規模なものです。一般会計の総額を抑制する一方で、投資的経費については8、422億円と8年連続増となり高い水準を継続しています。都知事は「経済を刺激するためにもインフラ整備は一番インパクトがある」としていますが、その実態は、一部大企業に利益が集約され、雇用の創出や中小企業等を含めた経済の活性化には必ずしも結びついていません。
東京都の失業率は5%を超え、生活保護世帯は増え続け2011年には全国で200万人を突破し、東京都も20万人を超える受給者数になっています。
石原都政の「構造改革」、都政リストラによる行政の民営化拡大、大幅人員削減の一方で、投資的経費を膨張させてきたことが経済の活性化や都民の生活の改善につながっていないことは明白です。防災対策が緊急課題であると同時に雇用・福祉・医療の充実、貧困と格差拡大への対策は喫緊の課題です。経常経費では、社会保障費等義務的経費増に伴う福祉・保健予算の増以外は軒並み昨年比で減となっています。
また道理なき定数減
国の政策に伴う教職員や警察・消防職員を増員する一方で、知事部局職員160人、公営企業職員158人が削減となりました。「各局所要人員要求」は、増減計23人増の要求で、全ての局が執行体制の崩壊的危機を訴えているにも関わらず、職場実態を無視した道理なき削減です。現業職場は退職不補充・民間委託が引き続き強行され、調理、道路巡回、市場警備の委託が拡大されています。大震災以来、あらためて公務の重要性が認識され、公共サービスの充実のために事業を支える職員の確保や専門性の維持・発展、知識・経験、技術・技能の継承ができる体制を確保しなければなりません。
防災対策は形を作るだけでなく、運営を支える人材が不可欠です。都民の安全・安心、暮らしを守る施策の充実と業務に見合った職員配置、安定的執行体制の確保は不可分であり、都庁職は引き続き要求の実現に向けて各支部、組合員と共に闘います。 |