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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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健康 メンタルヘルス講座(50)

人間関係の処方箋
   “指示”せずに“支持”する

 人間関係の処方箋として、今回はカウンセリングマインドと呼ばれるコミュニケーション技法をお話ししたいと思います。カウンセリングマインドは、以下の3つのステップからなります。

ステップ1 「受容」

 「あなたが抱えている問題や葛藤を聴きますよ」という姿勢を見せ、相手にも「私を受容してくれる人がここにいる」という感覚を持ってもらうことです。その場で時間がとれないときには、しっかりと話が聴ける代わりの時間を確保し約束することも重要です。

ステップ2 「傾聴」

 YES・NOと簡単に判断を加えたり、自分の意見を挟んだりせず、頷きながら耳を傾け、じっくりと話を聴くことです。そして「そういうことがあったんだね」などと繰り返すことがポイントとなります。一見、オウム返ししかしていないように思われますが、聴き手が話し手の鏡となることで、話し手は「しっかり聴いてもらえた」、「受け止めてもらえている」と感じられ、初めて「共感」へとつながっていきます。

ステップ3 「共感」

 人は誰かが共感してくれていると感じることで、心が満たされ安心するものです。そのためには、「受容」「傾聴」といったステップの上で、「そういうふうに考えていたんだね、辛かったね」「話してくれてありがとう」といった言葉をかけ、その気持ちを伝えることが大切です。同じ目線で、今の苦境を理解してくれたという感覚が、人を支援し強くすることもあります。
 この3つのステップを踏まえて話を聴き、「ああしろ、こうしろ」と指示せずに支える。この「“指示”せずに“支持”する」ことがカウンセリングマインドのポイントでもあります。
 こうした意識を持ち、相手の話を聴くことは多くの情報をもたらしてくれますし、聴いてもらっている側は気持ちが落ち着き、考えが整理でき、良好な関係が持てるようになるとされています。忙しい中だからこそ、互いに少しずつ配慮する気持ちを持つことで、感じ方も変わり、また違ったコミュニケーションを持つことができるのではないでしょうか。

(産業医の立場から 富田 絵梨子)

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