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職場はいま 検証〈7〉
都営住宅こそ直営で
東部住宅建設事務所 住宅支部
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葛飾区西小岩の工場現場 |
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東部住宅建設事務所分会のみなさん |
晴天の12月上旬、千代田区外神田、秋葉原の一角にある都市整備局東部住宅建設事務所を訪ねました。
東部住宅建設事務所は、27万戸ある都営住宅のうち、20区の建替えや耐震補強を行っています。
今年は、東日本大震災や原発事故による応急仮設住宅として、都営住宅は大きな役割を果たしています。
菅野分会長と並木分会書記長、平野副分会長から、職場の現状を伺いました。
都営住宅の工事件数や工事金額は多いのですが、職員113名でこなしています。このうち、16人が再任用職員で非常勤職員も含めると20名になります。とても忙しく、これ以上職場の厳しい状況を直視しないのなら「モチベーションが下がる」との意見が出ているとのことです。
公社委託で矛盾激化
一昨年から工事監理の一部が、東京都住宅供給公社に委託されましたが、多くの矛盾が噴出しています。
公社側に体制がなく、都の退職者と現役派遣による執行となっています。そのため長年の経験・ノウハウは都側から消滅し、公社再雇用職員の退職で、公社からも消える事に。
現在は、老朽化した中層住宅の建替え事業が中心。居住者の高齢化に伴う福祉との協力も含め、技術の向上が日々求められています。
培った技術の継承を
大震災後、事務所からも技術職が、福島県の応急仮設住宅の応援に入りました。そこで改めて感じたのは、東京都が培ってきた「技術力」です。
「必ず起こるといわれている首都圏での大震災。都営住宅の安全・安心は都民の財産です。しかし、その体制を当局が崩しているのではないか」
「これまで都営住宅建設を直営でやってきたからこそ、技術が先輩たちから継承されてきた。これを守りたい」と強調されました。
都営住宅で、今後建替えや耐震補強を進めていくには大変なエネルギーが必要で、定数を増やし、直営を基本に仕事を進めたうえで、技術を継承することが重要です。
そのためには、なによりもマンパワーが必要だと感じさせられました。 |