|
給与削減は許さない!
民間労働者と連帯し要求を実現しよう
11賃金確定闘争は、東日本大震災・原発事故が未だ復旧・収束されない中で闘われます。大震災から半年を経て、これまでの新自由主義・構造改革による地方切捨て、格差拡大の日本社会の矛盾が被災地に凝縮されて露呈しています。復興の名の下に、労働者の賃下げ・増税でさらに収奪を深めることを許さず、被災地・民間労働者と連帯して闘いましょう。
公務員給与削減を増税の露払にするな
本年の賃金確定闘争を巡る状況は、国家公務員の給与について、東日本大震災の復興財源に充てることを理由に、6月3日「国家公務員給与削減特例法案」が閣議決定され国会に提出されました。しかし、通常国会では審議が行われず協約締結権回復を含む「国家公務員制度改革関連法案」ともども会期末までに成立せず棚上げとなりました。
一方、人事院勧告については、民間給与実態調査が例年より1ヶ月半遅れて6月24日から8月10日の日程で行われました。
人事院勧告は、「国家公務員給与削減特例法案」との関係で不透明な状況にあり、勧告の取扱いも同様に微妙な状態ですが、人事院は現時点では国家公務員法に定められた責務として勧告を実施すると表明しています。
賃下げ勧告許すな
東京都人事委員会は、国と同時に民間給与実態調査を共同で行いました。
都労連は、9月1日の人事委員会要請において、3月に提出した要請書の勧告への反映と個々の具体的協議を求め、検討状況や勧告作業、勧告時期について具体的な回答を迫りました。
東京都職員の給与は、2005年以来6年連続マイナス勧告であり、この10年来ベアが実施されていません。一時金については、この2年間で0・55月もの急激な引下げが行われ、職員の生活は厳しさを増しています。都庁職の賃金アンケートでは約60%が賃金改善を求めており、老後について約70%が不安を感じ、今後の取組の強化が訴えられています。
野田新政権は、増税に意欲を示し、その露払いとして公務員人件費削減をさらに推し進めようとしています。しかし、東日本大震災により地方行政機能は壊滅的打撃を受け、同時に三位一体改革による福祉・医療等公共サービスの低下が復旧を困難にしていることも明らかとなり、行政の果たすべき役割はこれまで以上に重要になっています。
この間の新自由主義に基づいて、大企業等が、収益の確保を最優先し、非正規労働者を増大させ、格差と貧困を拡大させながら、民間労働者と公務員労働者との対立を煽り、総体的に賃下げ・合理化を進めてきました。分断攻撃を許さず、被災地を含めたすべての労働者の連帯によって、賃金と雇用の確保、公共サービスの充実・社会的セーフティネットを再構築する闘いが重要です。
高齢者雇用の確保を
今次確定闘争では、年金支給開始年齢の段階的引上げが2013年と目前に迫り、定年制延長を含めた高齢者雇用の問題が喫緊の課題となっています。
人事院が勧告、あるいは報告にあわせて「意見申出」を明らかにして法案化が進められなければ、「雇用と年金の接続」に空白を生じかねないこととなり、国の責務として高齢者雇用制度について明確にさせなければなりません。
都労連は高齢者雇用制度について、東京都においては従来から労使交渉によって定められてきた経緯があり、定年延長に関しても基本的には労使交渉事項であると主張しています。
国と都の人事給与制度の相違を前提に、多様な働き方が選択できる制度を基本とし、その上で現行の再任用制度・再雇用制度を踏まえた制度設針、定年前の短時間勤務制度の検討、60歳を超えた職員が勤務を継続することが困難な職種・職場への対応など、職場や業務の実態に即した制度設計を要求しています。
都庁職は高齢職員の労働条件改悪を許さず、都労連に結集し要求実現に向けて奮闘する決意です。 |