職場はいま 検証〈4〉
公園の指定管理者制度は今…
建設支部調査厚生部長 宮崎 猛
石原都政の構造改革路線で、公的施設の管理運営を民間に委ねる「指定管理者」制度が多く導入されています。都立公園に導入されている問題について、職場からの検証を投稿していただきました。
|
葛西臨海水族館 |
平成18年、指定管理者制度が都立公園に導入されてから5年が経過し、2巡目を迎えた今、民間管理の公園が増加している。
指定管理者制度は、小泉内閣フィーバーの中で、「官は無駄遣い、民間に任せることがいいことだ」という社会風潮の中で誕生した。
民間の創意工夫、効率的運営が、多様なニーズに応え、質の高いサービスを提供すると言われたが、果たして結果はどうだったか?
指定管理者制度のデメリットは、第一に指定期間の定めである。公の施設の管理を任されても3年、5年という期間限定では正規職員を雇用できない。実際に指定管理者の雇用状況をみると、大半が非正規労働者、臨時職員である。
第二のデメリットは、公募による競争性である。監理団体は民間との競争の中で、人件費を下げざるを得ない。非正規労働者の増大とサービス低下につながる経費節約が迫られる。
昨年、総務局行革推進部は、指定管理者制度の選定指針を見直し、多数の参加者による競争の趣旨を損なわないようグループ規模の適正化を指示した。
建設局は都市部の公園グループを3分割、多摩部の公園グループを2分割した。そして、分割された大きいグループに民間事業者が選定されている。
当局、議会では今も民間参入を促進する意向が働いていることは間違いないが、公の施設の管理者として民間が優れていることを実証するデータは示されていない。
指定管理者制度導入目的の「質の高いサービス提供」と「経費節約」は二律背反だと指摘する学識経験者も少なくない。
私たちは、指定管理者制度の真の検証を具体的に実践しながら、公共サービスの担い手は公共という原則に立ち返る運動を展開していかなくてはならない。
|