都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
  次世代につなぐ組合活動
職場を基礎に・みんなが参加・みんなが主役

 厚生労働省の調査によると、労働組合の組織率は1976年以降連続して減少し続けています。戦後のピーク時には50%近い組織率だったものが、2008年には18.1%にまで低下しています。しかし、微増ですが、昨年18.5%と34年ぶりに上昇しました。長引く不況下で、雇用が安定せず、非正規労働者が増えている実態、東京都に採用された職員は、11年間も賃金が上がらず、年収が減少しています。もう一度原点に帰って、労働組合をみんなで作って行きたい。そのためには何が必要なのか。職場生活・組合活動の先輩である支部長と、新しく組合員になった方、活動をはじめた方の意見を伺いました。



組合運動について今考えていること
病院支部松沢分会 西 宏隆

病院支部松沢分会 西 宏隆 私は、組合役員ではないですが、労使交渉や組合の集会の内容を機関紙や組合役員の方から聞くことが多いです。賃金問題、労働時間の短縮、「新たな公共運営」など組合の活動は多岐に渡っており、その中でも、キャラバン集結集会における看護師確保対策、夜勤改善要求の政府交渉に関心を持ちました。病院側の努力だけではなく、国としての看護師の働き方について整備すべきという考え方は新鮮でした。政府交渉は現場の勤務状況を知ってもらう機会になると思います。組合が現場の職員の意見を代弁してくれていると思いました。
 私たちの世代で積極的に組合活動をしている人は少ないのが実態です。しかし、給与や労働条件については直接生活に影響する問題で、常に職場で話題になり、強い関心があります。今後の組合活動を考えるとき、若い世代の力が必要になってくると感じますが、組合活動の内容は難しく専門的な知識が必要だとも感じます。私の職場では組合活動をする先輩が活躍されていますが、全体としては人材不足で今後の組合活動が困難だと聞きました。組合は空気のような存在で…なくなった時に始めて大切さがわかるのかもしれません。組合活動でも後継者を育てていく必要があり、みんなで考えなければならない時にきているのだと思います。



みんなが力を結集し職場や生活を守っていこう
病院支部支部長 白幡 悦子

病院支部支部長 白幡 悦子 明けましておめでとうございます。病院支部は看護師をはじめ若い組合員が多いのですが、過密労働と人員不足で、組合運動に参加する時間が取れなくなっています。それでも支部大会には約130名の代議員が結集し、熱い討議をして方針を確認しています。
 支部は、東京の保健・衛生・医療の充実を求める連絡会や地域の守る会で行っている「都立病院を守る」運動に参加しています。石原都政による都立病院改革が開始されて10年が経過し、16あった都立病院は半分になりました。昨年は小児3病院統廃合反対の大きな運動が展開されましたが、2010年3月に「小児総合医療センター」がPFIで運営が開始されました。さらに、2年先までに全ての都立病院を地方独立行政法人化とすることを視野に検討が行われています。支部は、「都立病院は直営で」の方針を堅持し運動を進めています。
 今年の人勧では医療職給料表の見直しで、薬剤師、放射線技師、検査技師などコメディカル職員と看護師のフラット化が強く行われ、給料が引き下げられたことに対し職場は怒りでいっぱいです。賃金・労働条件改善、大幅増員が職場を守り患者サービスを向上させる鍵です。
 4月の都知事選では、労働条件改善に努力する知事を選ばなくてはなりません。美濃部革新都政時代には、病棟の一人夜勤が二人夜勤へ、夜勤回数は月八回への「二・八(ニッパチ)」闘争が展開され、安全に安心して働けるための礎が築かれました。院内保育室を作るために、看護師達の自主保育闘争がありました。給与改善、手当の増額、新設など、働く条件が飛躍的によくなりました。これは、ストライキや都庁座り込み、集会などへ多くの組合員が参加し勝ち取った歴史でもあります。働く者が力を合わせ労働組合に結集することが職場を守り、自分を守ることにつながります。
  これからは若い組合員のみなさんが主人公になる時です。都庁職に結集し、病院支部4000名の団結で都政の民主化と、生き生きと働き続けられる職場をつくるため奮闘したいと思います。共にがんばりましょう。



組合主催で人権や権利問題の学習会を
中央市場支部食肉分会執行委員

 平成22年度に入都し、都庁職組合員になった当初は「組合って、何をしているんだろう」と漠然としてよくわかりませんでした。日頃、お世話になっている先輩方に組合の活動等を教えてもらい、今の私が何か役に立つなら、という思いから食肉分会執行委員を引き受けました。
 家庭事情が優先とはなりますが、出来る限り各種の行動に参加し、生活改善をはじめ、同じ要求を実現するために多くの組合員の方々と行動している事がよく理解出来ました。私が希望して入った食肉市場の解体現場は男性ばかりの職場です。(女性は私を含めて4名)不安を抱えながら現場に出ましたが、実際には受け入れてくださる先輩方が私以上に気にしてくださっていることを知り、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 同性同士でも不愉快に感じることは個人差があり、性別が違えばさらに感じる範囲が変わってきます。仕事の中で少しでも不愉快を無くすために、普段からコミュニケーションを大切にし、お互いの誤解をなくしていけたら、セクハラ・パワハラもなくなっていくのではないでしょうか。
 現在私は、時間休に制限があることが非常に残念です。私の職場は、仕事柄、午前は1時間休暇しか取れません。午後は作業時間が12時には終わらないため時間休しか取れません。仕事を覚えるためにも現場には多く出たいのですが、40時間の制限を設けられると、取ってもいない半日休暇を出さざるを得ず不本意です。
 いま私が組合にこんなことがあればと思うことは、組合主催の勉強会や研修会を様々な角度から設けていただきたい。例えば人権問題の研修会や新人向けの説明会、私たちの権利をわかりやすく解説してくれる勉強会など列挙すればキリがありません。今までと違って視野が拡がると思います。また、各支部で合同のイベントや懇親会などがあれば、情報交換の場として交流を深められるのではないのでしょうか。そのことを基礎に、みんなの団結が固まると思います。私もそのために頑張ります。



どんな場面でも組合組織は必要なもの
中央市場支部支部長 久保 善高

中央市場支部支部長 久保 善高 1977年4月に入都して以来、何もわからず組合運動に参加してきました。当時の動員等は、参加の順番が決まっていて、とにかく有無を言わさずの集会参加でしたが、集会終了後の食事会が楽しみで、先輩に個人的な相談などもしてきた記憶があります。今、思い返すと、どんな場面でも組合という組織は必要なものだと思っています。
 不況の今こそ、公務労働者が先頭を切って、賃金・任用・権利を勝ち取り、民間労働者の先駆けとならなければいけないと実感しています。人事委員会勧告は、民間賃金の低下を理由に毎年マイナス勧告をしていますが、これこそが負の連鎖を招き、一向に景気は好転していかないと考える日々です。
 東京都の現業部門においては、一部の職場を除き、退職者が出ても新規採用がされず、民間委託が拡大されています。競争入札の制度的問題で、入札額が低額なことも検証せず、委託職員の低賃金化が進んだ結果、委託の不履行が発生した職場もあります。
 都が責任を持つべき部門まで委託を拡大した結果、都民サービスの低下を招き、残された現業職員の努力と奮闘と犠牲で、無事故の日々を続けています。差別と分断をなくす闘いは、組合があってこそ当局と交渉できるものであり、組合員一人ひとりが主役となって、組合活動に参加し、支えていくものだと思います。中央市場支部は、現業職の構成が約半数という他の局では見られない特徴を持っていますが、現業に限らず、非現業も多くの課題を抱えています。
 現在、豊洲移転問題が大きな話題になっています。「豊洲移転問題」については、利用者が使いやすい市場建設や食の安全・安心の確保と同時に、新市場の管理運営を指定管理者や民間委託などの手法で行おうとする動きに対して、職員を犠牲にせず、安心して公務に専念できる環境を主に闘いを進めています。
 組合とは、組合員の痛みを自分の悩みとし、組合員の成功を自分の喜びとする組織であり、かつ当局と対峙できる唯一の組織だと思います。



これからの組合活動に必要なこと
税務連合支部執行委員 森竹 純子・田中 純二の Q&A

税務連合支部執行委員 森竹 純子・田中 純二
組合運動をやっていて一番大変だなあ、不安だなあって思うこと。
同年代の協力者が少ない。現執行部がどんどん退職したら組合がどうなるのか、自分たちが担えるのか結構不安。時間がない。仕事との両立が大変。時間外の会議等参加は疲れる。職場の付き合いもなかなかできないのが悩み。今の組合活動のレベルを維持できるか不安。意見集約はできるけど、交渉で要求を実現するための作業はすぐにできるわけではないので。
組合活動をやっていて良かったなあと思うこと。
税支連執行委員会に参加していると、税務全体の仕事や職場の問題について様々なことが集約されてきて、全体のことを幅広く考えるように意識が変わってきた。幹部職員とも同等の立場で対応できる。
組合運動に今、必要なこと。
協力してくれる人たちが欲しい。スト権批准投票で高率の批准をしながら、妥結内容に不満があってもストライキを実施せず、結局当局に丸め込まれているのかと思わざるをえないことがある。必要な戦術は実施すべきでは。
 一般の組合員には、本部の交渉で一定押し返したとか、これが到達点だと言われても、なかなか見えにくい。組合員に見える運動、誰でもやれる活動を工夫して欲しい。
  厳しい状況で、要求前進の実感はないし、組合運動はやっても意味がないと思う人もいるかもしれないけど、組合活動は、署名や動員参加や職場懇談会など地道な活動の積み重ねだよね。やらされているのではなく、一人一人が参加しているという主体的な意識を持って積極的に参加して欲しい。
先輩役員に言いたいこと。
ここまで役員の高齢化が進む前に、組合の人材育成をなぜ行わなかったのか。活動はマニュアル化しにくいし、すぐに習熟できるわけでもなく、先を見てなかったのでは。
今後の抱負。
先輩たちが残っているうちに、いろいろ吸収して、自分なりの組合活動をがんばって行きたい。枠にとらわれず、職場のみんなが働きやすくなるようにやって行きたい。



大いに語り合う一年にしよう
税務連合支部執行委員長 真田 光次

税務連合支部執行委員長 真田 光次 あけましておめでとうございます。「やりがいをもって働きたい」「健康で生き生きと仕事をしていきたい」これはみんなの共通の思いです。しかし、現実はほど遠いものとなっています。
 私たちは自治体で働き生活の糧を得ています。ひどい賃金や労働条件、劣悪な職場環境でも我慢して働かざるを得ないこともあります。「ひとりでは弱い存在」の私たちが、賃金や労働条件の改善を求めることは当然のことで、「みんなで力をあわせて」実行することが一番有効な手段です。
 法律で守られているべき自治体職場でも、労働組合がない職場では、労働条件が低かったり、自由に発言できなかったり、不払い残業や臨時・非常勤職員の一方的な雇い止めがまかり通る状況があります。
 私はこれから二つの事象を紹介し、今年一年「みんなで考え」「みんなで行動し」、「変化をつくりだす」組合員参加型の活動を追求していきたいと思っています。
 一つは、2007年3月に埼玉県の志木市で職員労働組合が結成されたことです。きっかけは前年に起きた固定資産税の口座振替の引き落としミスを一職員の責任に押し付け「管理職には何の処分もない」「このままじゃダメだ」「発言できる職場をつくろう」という職員の声だったそうです。
 二つ目は、2006年7月ふじみ野市の市営プールで当時7歳の女の子が吸水口に吸い込まれ死亡した痛ましい事件です。当時その責任として体育課長と管理係長が起訴され懲戒処分になりました。二人はこれまで、「市民の安全が第一、市民の生命と財産を守ることが仕事だった」しかし、市の方針で委託化が進められ「どうしたら安く出来るかが仕事になってしまった」と述べていたそうです。
 職場は、仕事を進める上での矛盾や要求が絶えず生み出される場所です。また、住民に信頼される行政に何が必要か、自分たちの賃金や労働条件はどうあるべきか、仲間と語りその大変さや困難さ、喜びを共有することで連帯感も深まる場所でもあります。このことが組合運動の「原点・出発点」です。職場で大いに語り「変化をつくりだせる」一年にしていきましょう。
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