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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(47)

心の健康問題を予防する
   (2)早期発見のポイント その1
        ストレスのサインを知る


 今回は、心の健康問題の「二次予防」について考えていきたいと思います。二次予防とは、病気の早期発見と定義されています。
 心の健康問題での早期発見とは、検査の数値などで無症状のうちに病気を発見するということとは多少違い、なるべく早く症状の出現に気づき対応するという発想になります。ところが、誰もが、風邪の引き始めに、たとえば鼻水が出たり、咳が出たり、ぞくぞくしたりしてきたら、「まずいな、用心しよう」と考えますが、心の不調では、初期に「こんな症状が出てきた、まずいな」と自覚できないことが多いのです。早期発見のためには、この初期症状のイメージを持つことが肝要です。
 実際には、どのような症状が出てくることが多いのでしょうか。こころの病気だから気持ち(精神面)にはじめに症状があらわれることが多いかというと、実際にはそれよりも前に身体に症状が出現することがよく経験されます。めまい、動悸、頭痛、下痢…と症状は人により様々ですが、主に内臓の機能などをコントロールしている自律神経が、バランスを失っている状態といえます。症状がひどく病院にかかり検査をしてもらっても、「体は何ともありません」と言われてしまい、我慢して生活を続けていくうち、さらに深刻な症状が徐々に出現してしまう…というパターンが多いのです。
 「どこも悪くないのになんとなく調子が悪い」ということが続く場合、それが体ではなくこころの健康問題である可能性があることを心に留めておくことが、早期発見のポイントの一つです。また、こうした初期症状の段階であれば、数日間の休養と十分な栄養摂取程度で、比較的速やかに症状が軽快する可能性もあります。
 忙しい現代社会の中では、完全にストレスから離れて数日過ごすということが意外と難しいものですが、まず自分のストレスのサインを知り、風邪気味のときと同じように、早期の段階で「大事を取る」ことが重要だと言えます。
 次回は、ストレスの初期症状からもう少し進んでしまった場合の、「うつ病」の早期発見についてお話したいと思います。

(産業医の立場から 富田 絵梨子)

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