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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第71回)

都立老人ホームを廃止しないで

                       養育院支部 東村山老人ホーム

東村山分会の今村さん
東村山分会の今村さん
居室改善した青葉棟
居室改善した青葉棟
 西武池袋線の清瀬駅からバスで、「梅園」という停留所名に変わった清瀬小児病院を通りすぎ、東村山老人ホームを訪ねました。
 猛暑でしたが、正門をはいり武蔵野の緑が多く残る構内を歩くと、木々が日射しをさえぎってくれ、ほっとします。敷地内には、東村山老人ホーム、東村山ナーシングホーム、保健医療公社が運営する多摩北部医療センターがあります。その3つの組織で東村山分会をつくっており、その分会長である東村山老人ホームの今村さんにお話を伺いました。

都が運営する老人ホーム

 東村山老人ホームは、都の直営で、桜棟と青葉棟合わせて600名の利用者が日常生活を送り、医療や生活など支援・相談を受けています。
 視覚障害をもった方の専用居室を50名分確保しています。低所得・住居など生活困難を抱えた高齢者が措置入所する老人ホームです。自立して、元気であることが入所の条件だそうです。
 


民間移譲と利用者定数の縮小は高齢者福祉行政の撤退

 

すでに敷地内の道路工事が進行中
すでに敷地内の道路工事が進行中
野菜づくりなども楽しみのひとつ
野菜づくりなども楽しみのひとつ
突然の道路計画

 構内を歩いてゆくと、老人ホームの桜棟と青葉棟の先で木の伐採作業が行われていました。
 樹齢のある大木がごろんと切り倒されていました。すでに北側と南側から道路がつくられています。1961年に計画された都道東村山3・4・11号線が05年に突然浮上。この都市計画道路は東村山老人ホームの桜棟と青葉棟のあいだを通過し、多摩北部医療センター前を通過する計画になっています。
 敷地内を計画道路が分断するということは大きな問題です。例えば、青葉棟にある診療所へ行くのに、今は危険はありませんが、計画道路ができれば「渡る」ことになります。
 実は青葉棟は、05年の老人福祉法の改正に伴い、居室改善で個室対応・夫婦部屋対応などリニューアルを進めてきたところです。桜棟は当時すでに個室対応になっていたそうで、現在、桜棟に200名・青葉棟に400名が暮らしています。しかし、都はこれらの施設を廃止して、むさしの園跡の更地に新しい老人ホームを建て、民間委託で運営を行おうとし、さらに定員を600名から200名に減らそうとしています。そのため青葉棟には今年4月からの入所は受け入れていないとのことです。
 南側の門近く、軽費老人ホームのむさしの園が廃止され、更地になっています。
突然浮上した道路計画は青葉棟と桜棟を分断する
突然浮上した道路計画は青葉棟と桜棟を分断する
 耐震を理由に、道路で寸断される2棟を廃止し、新しく老人ホームを建て、その定員200名という都側の方針は高齢者福祉からの撤退であると、分会は厳しく指摘しています。

多摩北部医療センターとの連携

 利用者の救急医療体制については、構内にある多摩北部医療センターとの連携がとれていると思いきや、「100%近くみてもらえていたのは、直営時代の話」とのことです。
 07年1月から9月にかけ、分会で「救急外来受け入れ夜間勤務実態調査」を行い、多摩北部医療センターに救急外来受け入れの改善を要求してきました。多摩老人医療センターが公社の多摩北部医療センターとなって5年たち、優れた実績を持っていた呼吸器科の常勤医師はゼロになって既に2年がすぎたとのことです。採算本位で病院運営を行うことは利用者、職員にとってもマイナスではないでしょうか。

都立での拡充こそ

 東村山老人ホームは、低所得・独居など見守りを必要とする老人の入居場所として役割を果たしてきました。区市町村の福祉事務所が判断し、入所する先として、唯一の都の直営施設であり、最後のセーフティーネットとなっています。その施設の定員を削減し、民営化して役割が果たせるのでしょうか。貧困ビジネスの根絶が求められている時代に、行き場を失いかねない高齢者のための施設拡充こそ都政の役割ではないでしょうか。
 養育院東村山分会は、養育院の廃止・解体を阻止し、東村山老人ホームの民間移譲反対の闘いを進めています。

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