異常潮位に迅速に対応
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運転前の整備風景 |
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4台の排水機が並ぶ |
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遠方監視制御システムでも人は必要 |
2月27日、南米チリ中部沿岸の大地震による津波警報は、東京都では28日午後1時に発令されました。
28日10時、非常配備体制のもと、全職員の携帯電話に招集メールが送信されました。招集された職員は、センター長の発令で水門を下げたり、海岸保全施設の作動・連絡体勢に入ります。
午後1時には、東京港内津波警報発令を受けて、水門を閉め、津波警報が注意報に変わった段階で、水門を開けるのですが、水門の外側と内側の潮位がゼロとなるタイミングをはかったため、28日は午後10時過ぎに水門を開けたそうです。
職員全員が解散したのは午後11時だったそうです。通常の土・日・夜間対応するための職務住宅の役割は重要です。
折しも、バンクーバーオリンピック終了間際の28日でテレビを見ていた方は記憶されているでしょうが、1日中、テレビ画面に津波警報や勧告がでていました。津波は身近で重い災害です。
大切なチームワーク
高潮対策センターには8名の防災係員及び、夜間と土日祝日は専務的非常勤の監視員が常駐しています。センターと4地区あわせると再任用も含めて機械・電気職員15名と設備管理職員19名で、維持管理をしています。
急な階段を上り、水門の最上階に向かいました。定例の動作点検中で、巻き上げ用の巨大なロープに油を塗りこんだり、機械周辺に散った油分の掃除など整備作業が進みます。
海岸保全施設は江東・中央・港・品川・大田区と広いので、輸送用の車両や船舶もあり、その維持管理も仕事のひとつです。
現場での仕事は無くならない
1979年より、遠方監視制御システムを導入し、カメラで監視し、無線連絡体勢をつくっており、各水門の潮位計で観測したデータが集中されます。
異常潮位は2メートル50を超える恐れのある場合2メートル30で、台風では1.85メートル、東京湾内の津波警報発令によって水門を閉鎖するという規定があります。
監視システムを機能させるため、現場へいって水門の作業をするのは職員です。各水門には固定レンズが設置されていますが、すべてわかるというわけではありません。実際に死角があったり、ロックのかからない水門への対応など、現場の仕事はなくなるわけではありません。
津波や台風被害から都民を守る高潮防災事業の仕事は、都が責任を持って直営で行う仕事だと強く感じた職場訪問でした。
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