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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(41)

ストレスと付き合う
   首尾一貫感覚とは

 「心の健康」について考える時、切っても切り離せないのが「ストレス」です。生きていく上で、必ずストレスはついてまわります。意識している、していないの違いはあるにせよ、私たちは日々、ストレスとともに生きているのです。
 それでは、ストレスとうまく付き合う、とはどういうことでしょうか。まず思いつくのは、ストレス解消法を実践する、といった方法だと思います。それ以外に、ヒントとなる概念があります。首尾一貫感覚( Sense of Coherence、SOC )と呼ばれるものです。これは、ユダヤ人強制収容所から生還した者の中で、約3割の女性が精神的健康を保持していたことに着目し、極限のストレスに打ち勝った要因は何だったのか、という研究から生まれてきました。個体に備わった素因に加えて、様々な人生体験を重ねることによって形成されてくるとされています。また、ストレス対処能力を反映するとも言われています。
 この首尾一貫感覚は、有意味感、把握可能感、処理可能感の3つの概念からなっています。仕事を例にしてみますと、有意味感は、この仕事を担当することは、のちのち何かの役に立つかもしれない、と意義のある仕事であると前向きに認知できる能力です。把握可能感は、これまでに担当していない仕事であっても「正しい段取り」「読み」ができ、仕事の道筋をたてることができる能力です。処理可能感は、難しい仕事であっても、それに対して必要な援助を適切に判断し、求めることにより、「やればできる」と考えられる能力です。
 こうしてこの概念をみてみると、強いストレスのかかった状況下で、うまくストレスと付き合えるかどうかには、その状況を本人がどうとらえるか、どのように対処しようとするかも大きく関わっていることが分かります。ストレスとうまく付き合うためには、私たちの側の物事のとらえ方も非常に重要なのです。

(産業医の立場から 富田 絵梨子)

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