健康 メンタルヘルス講座(40)
よい睡眠で疲れをとりましょう
最近、朝起きたときもすっきりしないし、日中も眠気を感じるし、『いつも疲れているなあ』と思っていませんか?
疲れの原因はいろいろでも、疲れをとるためにどなたにも必要なのは、よい睡眠をとることです。必要な睡眠時間を確保することと、質の良い眠りを得ることの両方が大切です。
必要な睡眠時間には個人差があり、通常は4時間から10時間といわれています。睡眠時間が長いほど健康に良いというわけではありませんので、自分はどのくらい眠ると調子がよいのか知っておきましょう。調子がよい状態というのは、日中に眠気が生じない程度のことです。夜に十分な睡眠時間がとれないなら、昼休みなどを利用して30分以内の昼寝をすると効果的です。
次に質の良い眠りのためのポイントをご紹介します。(1)寝る1〜2時間前には、安静にしてリラックスしましょう。寝る直前までパソコン・テレビ・ゲーム機などに向かうのは好ましくありません。軽い読書や静かな音楽を聴くなどがおすすめです。(2)入浴については、寝る1〜2時間前にぬるめのお湯に入るとよいといわれています。(3)日中は適度に日光をあびて、夜は照明を暗くすると、睡眠ホルモンのメラトニンがよく分泌されて効果的です。(4)寝る直前の食事は睡眠の質を悪くするので避けましょう。(5)コーヒーやスタミナドリンクに含まれるカフェインは睡眠を妨げますので、夕方以降は控えましょう。(6)アルコールは適量であればリラックス効果がありますが、寝酒として常用するのはよくありません。『お酒で深く眠ることができる』と感じる方が多いのですが、実際は、疲労回復に必要な深い睡眠が妨げられて睡眠の質が悪くなることがわかっています。
夕方から夜にかけてカフェインで覚醒して、深夜まで蛍光灯の下でパソコン作業やテレビ、寝る直前に食事や飲酒…という生活スタイルではありませんか?どれかひとつでも変えてみると、比較的短期間で前より元気な自分を実感できることでしょう。
(産業医の立場から 林 洋子)
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