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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(37)

今、メンタルヘルスに求められているもの
B早期復職のためにできること(2)


 多くの方は休業となる前に、相当なプレッシャーを感じています。これは周囲にはわかりづらいかもしれませんが、本人にとってつらい経験であったことに違いはなく、職場に対し過度の不安や敵意を持つこともあります。通常、病状の改善に伴い落ち着きますが、時に職場に対する不信感だけが強く残る場合もあります。こうなると前回お話ししたように、「体調は回復したが、職場に戻れない」という状況が生じます。これは本人、職場双方に不利益となります。
 そもそも病気休職の目的とは、体調を回復させ職場に復帰することであり、本人と所属との連携が本来の形なのです。具体的には、職場は本人を受け入れやすいように環境調整をする、本人も復職に向け体調を整えたり、職場とのコミュニケーションを行うべきと考えられます。
 職場の『メンタルになったのは本人が弱いから』や、本人の『職場が自分をつぶした』という極端な考え方は、何の得にもなりません。
 もちろんすでに関係がこじれ、本人と職場の共同作業が難しい例も少なくありません。また職場に対してではなく「担当していた職務」に対して不安や恐怖を持つ場合もあります。そもそも病状が十分に改善していないかもしれません。何が早期復職の妨げになっているのかを整理することが重要ですが、その時にはぜひ職場内健康管理スタッフの協力も仰いでください。
 東京都においても精神疾患のため休職される職員の方は年々増加しており、この事態に対応するべく知事部局の職員を対象に、心理士等で構成される精神保健相談員が各局に配置され、復職や職場環境調整等に関する助言指導をおこなっています。
 これまで3回にわたりメンタルヘルス対策には何が欠けているのかについてお話ししました。困ったときにはぜひ専門家に頼っていただきたい、しかし専門職ができることはあくまで助言であり、この対策に最も重要なのは職場のコミュニケーションです。このことをぜひご理解いただき、職場のメンタルヘルス保持増進につなげていただきたいと思います。

(産業医の立場から 宇佐見和哉)

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