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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

海の不思議さを伝える マグロの泳ぐ水族園
創意工夫で世界の最前線

        指定管理者制度導入後の葛西臨海水族園を訪ねて

 2006年4月から東京都の指定管理者制度の導入により、財団法人東京動物園協会に運営が委ねられている東京都葛西臨海水族園を訪問しました。京葉線葛西臨海公園下車徒歩十分くらいの広大な埋め立て地に開設された施設です。建設支部動物園分会の多田副分会長と執行委員の阿部さんに現状の問題点や業務の苦労話を伺いました。

 
動物園分会の多田さんと支部執行委員の阿部さん
動物園分会の多田さんと支部執行委員の阿部さん
太洋の航海者クロマグロ
フンボルトペンギンにアジなどの魚を一斉に与える
フンボルトペンギンにアジなどの魚を一斉に与える
入口がドーム型の水族園
入口がドーム型の水族園
都民に親しまれる学習施設をめざす

 職場では派遣職員としての東京都職員と協会固有の職員が展示方法や観察会、研究・採取等協力して創意工夫をこらしながら水族園の運営に努力をしています。
 特にクロマグロの群泳は世界でここだけの展示であり、また、今まで誰も見たことがなかったクロマグロの産卵シーンも見学することができ、研究者にとっても貴重な存在となっています。もちろんマグロの採卵・繁殖の研究にも取り組んでおり、数センチの稚魚までは育っています。もうすぐ水族園産のクロマグロが水槽を泳ぐ日が来るかもしれません。
 飼育用には八丈島沖の海水を使っています。マグロ以外でも、極地の魚類を始め、ここでしか見学できない世界各地の生物も数多く展示され、見るべきものが多い水族園として知られています。
 また、ペンギンの展示方法についても職員同士で話し合い、飼育担当の職員が給餌時に入園者に生態の解説をするなど、創意工夫が見られます。ここで飼育されているペンギンのうち、とくにフンボルトペンギンの種の保存は水族園の大切な役目となっています。
 見学だけの施設ではなく、社会教育の場としての活用を呼びかけ、学校での利用促進を取り組み、多くの小・中学校がこれに応えています。
 職員の努力もあり、入園者数は150人から160万人の間で推移し、少子化の中で大健闘しています。 。

初期の大型水族園であるがゆえの苦労

 1989年にこの時代の大型水族館の先駆けとして開設しました。
 当時は他に参考となる施設がなく、完成してからいくつかの課題が見えてきました。特に水族園の舞台裏にある魚類の飼育・展示を支える心臓部の各種機械設備の点検や給餌等の仕事の場所の天井が、頭をぶつけるほど低いことや、展示魚類の搬入ゲートが確保されていないなど、先駆者としての苦労もありました。施設の開設以降にできた大型の水族館は何度も見学に来て参考にしたとのことです。

協会としての運営存続を

 都からの派遣職員と協会固有職員間のコミュニケーションもスムーズで、動物園協会の労働組合との合同旗開きなども開催されています。
 10年の指定管理の期間が過ぎて、次の指定管理者が変われば、協会の職員はもちろん、都の派遣職員もここには勤務できなくなります。働いている職員は魚類の専門家も多く、持っている知識や体験を生かすこともできません。他の民間事業者の管理では、入園者数の増が目標となり、ショー的な催しが多くなり、本来の教育普及活動がないがしろにされる懸念もあります。

 


 都庁職は業務に専念できるように身分保障のある安定した職場として、都の直営としての教育・研究機関として存続すべきものと考えています。知識・技能・技術を持った職員が働き続けられる組織の維持を求めて取り組んでいきます。

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