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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(36)

今、メンタルヘルスに求められているもの
A早期復職のためにできること(1)


図 全般的な疾患の発症様式
 前回は職場側のメンタルヘルスに関する知識が、いかに重要かについて説明しました。今回は本人側の原因について探っていきたいと思います。
 図をご覧ください。これは疾患の発症に個体要因、環境要因どちらが強く影響しているかを表したものです。多くの場合、メンタルヘルス問題はどちらの要素も含んでいることが示されています。ですからいくら職場側が十分配慮をしても、個体要因(本人側の要素)に対するアプローチが不十分であると、復職がスムーズにいきません。
 先日『職場が無理解なんです。職場のせいで調子が悪くなったのに』と言った相談を受けたことがありました。上司の一言に傷つき、それから職場に出るとドキドキして、手が震えて仕事ができないといい、職場から離れると症状が落ち着くというのです。この方は『適応障害』と診断され、治療が開始されました。この『適応障害』はストレスがかかる状況下では心身の不調が出現し、ストレス環境から離れると比較的早期に症状が改善する疾患で、よく『さぼり』ではないかと誤解されることがあります。ですが、もちろん本人はさぼろうとする気はなく、ストレス下での反応は非常につらいものなのです。パニック発作や憂うつ、不安なども同時に出現することがあります。治療にはまず休養が必要で比較的早期に回復しますが、環境の改善が行われないとまた同様の症状が出現します。 この方の場合も病状が改善したため、復職前に職場の方を交え環境を調整いたしました。しかし、実際に話し合いの場で、職場が用意した提案と本人の思いが一致せず、状態が安定してから1年近くも復職するまでに時間がかかってしまいました。このような理由で復職が遅れることもまれではありません。(以下次号)

(産業医の立場から 宇佐見和哉)

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