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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(35)

今、メンタルヘルスに求められているもの
@見落とされている「対策」


 職場のメンタルヘルス問題の最大の特徴は罹病期間の長さです。これには薬剤に反応しにくい難治性うつ病や統合失調症などの精神障害の存在もありますが、職場側、本人側の要素が復職を困難にしているケースもあるのです。
 たとえば職場側としてはやはりメンタルヘルスに対する理解不足があるように思います。また本人が病気の責任を外部にもとめすぎる場合もあります。これらの点から、メンタルヘルス対策において今何が必要かをお話しします。
 『とりあえず本人にあってほしい』。このように上司の方にお願いされることがよくあります。状況を把握するために職場の方にお話を伺うと、『最近当日休をとることが増えてきたので、メンタルじゃないかと思った』のだそうです。休む理由、本人の体調などについては確認していないのです。
 もしこのような状況で、突然上司に『健康管理医に会え』といわれたらどう思うでしょうか。ほとんどの方は、心配されてうれしいとは思わないはずです。
 われわれは、積極的に専門スタッフに相談を、と勧めております。このためなるべく早く対応しようとして、コミュニケーションが図れないまま相談につながる場合があります。また、専門家に相談すべきということが、メンタルは手をつけるなという間違った解釈にとられることもあります。『なんて声かけしていいかわからなかった』と話す同僚、上司の方もいました。
 さすがに『メンタルは本人が弱いから』と豪語する上司の方はほとんど見かけなくなりましたが、今はこのような職場内のコミュニケーションの希薄化が目立ってきている印象を受けます。体調が悪い人が職場の中にいる、そんなときにはまず『体調が悪そうだけど何かあった?』『心配だから一度相談してみたら』など、自分の思いを相手に率直に伝えることは必要です。本人が専門家に相談をすることは、少なからず抵抗があるものです。同僚の方の支えが本人の体調を回復させることもあります。職場内のコミュニケーションの向上、軽視されがちではありますが非常に重要なものなのです。

(産業医の立場から 宇佐見和哉)

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