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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(29)

メンタルヘルスケア
Bラインケア―管理監督者に求められているものとは


 職場でのメンタルヘルスケアのニーズの高まりとともに、管理監督者のラインケアが強く求められるようになりました。研修講師をしているとよく上司の方に「励ましたい部下がいるんだけれど、うつは励ましちゃいけないと聞く。どうしたらいいか?」という質問を受けます。
 現代の「うつ」はまさに多様化しており、マニュアルどおりの対応ではうまくいかない場合が多いのです(これを丁寧に話すと一冊の本が完成しますので、別の機会に詳しくお話します)。管理監督者に求められることは「うつ」の細分化した診断ではなく、対応のしかたへの理解です。
 責任感が非常に強い部下の場合、復帰に際しては頑張れといわずとも現在の仕事量に満足せずどんどんレベルアップした仕事内容を求めるため、上司のスタンスとしては励ますのではなく、本人の焦りを抑える側の役割に回る必要があります。
 一方もともと不安が強い場合には、励ますことも必要になります。復職後は励ましながら仕事の質、量の負荷を上げ、少しずつ自信をつけさせていくスタンスでいることが本人のパフォーマンスの改善にもつながるのです。そうでないといつまでたっても不安が先行し仕事ができない状態が続きます。
 どちらも復職後段階的に負荷を上げていくということでは一致していますが、復職を受け入れる側の心構えとしては全く異なることがお分かりいただけましたでしょうか。
 「うつ」の多様化に伴い、古くからいわれた「励ましてはいけない」、「無理をさせてはいけない」という対応だけでは逆効果となってしまう例も増加しています。
 うまく対応するためには、部下が調子を崩す前の性格(病前性格)を知っていることが重要なのです。そういわれると難しく聞こえるかもしれませんが、部下に興味を持てばいいのです。まずは部下一人ひとりとよく関わり、各々の考え方を本人の個性として理解していることが発症予防、再発予防につながるラインケアの基本となるのではないかと思います。

(産業医の立場から 宇佐見和哉)

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