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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第55回)

リストラで東京港は守れない
       港湾支部 東京港管理事務所

水面監理の仲間たち
水面監理の仲間たち
浜離宮を背に停泊する監視船
浜離宮を背に停泊する監視船
 8月19日、東京港の水面監理の仕事について、東京港管理事務所分会の鈴木分会長、長井書記長、そして水面監理の仕事にたずさわる佐藤船長、石倉機関長にお話をうかがいました。
 東京港の港内の水域面積は大小41の運河を含め、その面積は5292ヘクタールという広さです。この水域内に様々な船舶が往来し、係留し、水域利用が図られています。

港内の安全を守る仕事

 港湾局の水面監理の仕事は12名の海技職職員が6隻の監視艇で、港内の航路や泊地・運河筋を、1日も休まずに巡回しています。変則勤務で仕事をし、なおかつ問題が起これば、呼び出しがかかります。乗船は必ず2人以上です。
 仕事は港湾法などに基づき、港内の航行安全の確保や水域利用の規制による港内水域利用秩序の保持や、海洋汚染等の防止などです。
 「陸」から見ることのできる施設もありますが、防波堤・貯木場・はしけ溜まり、航路など水面からしか見ることのできない施設が多くあり、監視艇で確認や点検を行います。

船は真水できれいに洗う
船は真水できれいに洗う
運河に続く水門
運河に続く水門
浜離宮排水機場の陸こう
浜離宮排水機場の陸こう
これから港内に出発する
これから港内に出発する

水域調査や障害 物除去、
指導・救助など


 業務内容は、大きく4つで、ひとつは水域占用状況(不法係留や放置船等)の調査・指導です。港内の作業船が占有許可を受けて留めているのか確認します。
 ふたつめは、漂流物(塵芥・流木等)、沈廃船等の航行障害物の除去です。たとえば貯木場近くでは船から落とされた木材が海底に突き刺さったまま放置されている場合があり、その処理なども仕事の1つです(地球環境保護政策で、今年4月から、貯木場には外国からの木材は入ってこなくなったそうです)。
 また、古い舟を運河に勝手に沈めるというモラルのないことも起きるそうで、その沈廃船を港内の安全のために撤去するのも仕事です。
 3つめは、流出油事故・海洋汚染物の防除処理対応です。昨年、ある国の軍艦が寄港し、油が流出する事故があり、夜中の2時、さらに4時に呼び出しがあり、海上保安部の指導のもと、オイルフェンスを張りました。
 4つめは、港内の警備及び救難活動です。近ごろでは、港内運河筋にはマンション群が建ったことから、住民の要請で「運河に傘が落ちたので拾って」「鴨に何か刺さっているので助けてあげて」など、今までになかった救援依頼が舞い込んできます。

根拠ない組織の統合

 今年4月、東京港管理事務所と東京港防災事務所が統合され、港南の管理事務所に移転しました。管理と防災は仕事内容が違い、メリットはなく、効率も含め弊害ばかりが目立ちます。防災システムも辰巳に残したままです。なぜ統合・移転なのか、跡地利用はどうするのかなど不明なまま、トップダウンで決められてしまいました。移転場所は狭く、てんやわんやの状況です。最初からリストラありきは止めてほしいものです。
 例えば、儲けの対象にならない地味な仕事を担っていた東京港埠頭公社も臨海ホールディングスという会社の子会社にされ、「儲からない仕事は手を抜く」という民間の論理の下で仕事をすることになります。
 本来の東京港における地味で必要不可欠な仕事は直営で守るべきです。

安全第一を心がけて

 1隻の舟が動けないでいるようです。浅瀬にのりあげてしまったのではないかと、双眼鏡を使い確認しています。東京港は大きく変貌をとげていますが、いつの時代も港内の安全と安心のために、地道に仕事に励む水面監理の仲間たちです。

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