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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第52回)

家庭的な雰囲気で豊かな個性を育む
       福祉保健局支部 都立誠明学園

右から大野さん、今村さん、高橋さん
右から大野さん、今村さん、高橋さん
管理棟正面には花壇
管理棟正面には花壇
 新緑が映える4月下旬に、青梅線小作駅から徒歩7分の「東京都立誠明学園」を訪ねました。駅前からは整備された広い道路をまっすぐ歩くと、新緑の木々に囲まれた学園があります。
 今回、案内していただいたのは、大野分会長、今村書記長、高橋副分会長の皆さんです。

法改正で児童自立支援施設に

 この学園は児童福祉法に基づく児童自立支援施設で家庭や学校などでの育成・援助指導の難しい児童が入園し、適切な環境のもとに、その自立を支援することを目的としています。
 児童自立支援施設は各県に最低1箇所設置が義務付けられており、全国で58箇所、東京都には誠明学園と萩山実務学校の2箇所が設置されています。
 1933年に東京府立感化院として始まりましたが、翌年には少年教護院となり、1947年現在地に移転し、児童福祉法の施行に伴い、同法上の教護院となりました。98年に児童福祉法の改正があり、「児童自立支援施設」となり、対象の児童が広がりました。施設が現在の姿になったのは93年に全面改築が完了してからです。外観も敷地内もよく整備され、きれいな花壇が管理棟の前に配置されていました。


寮と公教育で日常生活を学ぶ

寮の大広間は共同スペース
寮の大広間は共同スペース
調理室で夕食の準備をする(1)
調理室で夕食の準備をする(2)
調理室で夕食の準備をする
児童が登校中に事務処理します
児童が登校中に事務処理します
 児童寮では職員と児童が生活をともにしながら心のふれあいを大切にして、日常生活に必要なルールや知識・態度を身につけ、実際の生活に生かしていくことを学びます。入所対象者は小学4年から18歳までで、現在、男子寮7棟、女子寮4棟、うち高年令児寮が各1棟あり、それぞれ独立した棟となっています。定員は1寮14名で合計154名です。寮ごとに福祉職職員が5名配置され交替制勤務で児童の父母がわりに食事や運動、掃除なども一緒にしながら生活しています。
 児童たちは朝6時半に起床し、朝食後学校へ登校します。昼食も寮に戻ってとります。午後の授業が終わり、16時には寮に戻ります。
 学園の敷地内には公立の小中学校が設置され、連携をはかりながら義務教育を実施しています。
 学校では、基礎学力の向上に重点を置きながら学校生活を楽しめるように取り組んでいます。野球やサッカーのグランドや体育館、プールなど設備は十分です。さらに、社会生活に必要な知識の習得にもつとめており、農耕や木工、縫工の学習を行い働く喜びを学んでいます。

成長期の食事を提供する調理室

 学園は寮生活なので食事は管理棟に調理室が設置され、毎日三食を調理しています。成長期の児童ばかりですので、予算をやりくりしながら量も十分な食事を提供するために、栄養士さんも、調理師さんも苦労しているそうです。メニューも拝見しましたが、毎日工夫された、バラエティにとんだ内容です。調理室では、ちょうど忙しく夕食の準備中でした。
 食事は各寮から当番の児童が調理室にきて台車で運びます。食器は寮にあり、自分たちで配膳し、終われば片付けも当番です。

変わるのを見ていく楽しさ、
人材確保・育成を


 寮の児童構成年齢は縦割り(高齢児から年少児)が基本です。寮では身の回りのことは自分ですることが徹底されています。配膳や掃除などいろいろなことが分担され当番表で行われています。居室やキッチン、風呂場なども驚くほどきれいに使われています。
 また、学校と連携協力し、スポーツ・レクリエーション活動を通して全員で協力し合うチームワークの大切さや喜びを知り、豊かな個性を育て、明るく健康な心身を持って社会生活を営むことができるように働きかけています。寮での行事も多く、伸び盛りなので寮対抗のスポーツ大会なども盛り上がるそうです。
 入所する児童はコンプレックスの多い子や家庭や学校、地域で育成・援助指導が困難とされてきた子が多いけれども、仲間との共同生活を通して、勉強でも、スポーツでも何か頑張れるものを見つけると、ひとつでも自信がつくとどんどん変わっていくそうです。何よりもそれを見ることが楽しいといいます。仕事の厳しさや苦労はあまり見せずに話していただきましたが、この仕事は特に人材の確保が困難になっており、採用・育成等の人事制度と専門性をレベルアップできる研修が必要との話をお聞きして取材を終えました。

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