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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第50回)

食の安全・安心・健康を守る仕事
       保健所支部 南多摩保健所

左より土谷分会長、財津書記長、牧会計、支部の高橋書記長
左より土谷分会長、財津書記長、牧会計、支部の高橋書記長
南多摩保健所
 2月下旬、多忙のなか時間をつくっていただき土谷分会長、財津書記長、牧会計、支部の高橋書記長にお話をうかがいました。
 食の安全や偽装表示などの社会的事件が相次ぐ中、ノロウイルスによる食中毒対応や中国産冷凍食品の農薬混入事件などで、休みを返上して複数で対応しています。食品の苦情相談数もうなぎのぼりです。それだけ、都民の不安が募っているといえます。

衛生監視を6名削減提案
許せない


 そんななか都当局は、多摩地域の6保健所で衛生監視を6名削減(食品衛生3名減、環境衛生3名減)する査定方針をだしました。
 南多摩保健所では2名減という査定内容です。現場からは実態を全く無視した査定に驚きとともに怒りの声が上がっています。
 現在行われている第一回都議会定例会の代表質問・一般質問でも、「食の安全」に関する質問が多く、都側は「監視指導や検査体制を強化し、食品の安全確保と都民の不安解消に努める、突発的な事態に際して、食品監視機動班と保健所が連携し、被害の拡大防止に努めている」と答弁していますが、今でも複数の事件が発生すると対応が困難な状況です。
 国ですら、08予算では食品衛生監視員を増やす方向です。都民の安全安心を保障するためにも定数削減を撤回し増員してほしいと思います。

未然に防ぐことが大切

毎日、顕微鏡でスギ花粉を数えて報告しています
毎日、顕微鏡でスギ花粉を数えて報告しています
古い庁有車だけでなく新しいものも
古い庁有車だけでなく新しいものも

地域と密着
多岐にわたる仕事


 保健所の仕事は多岐にわたります。食品衛生、環境衛生、薬事衛生、医療安全、感染症予防、精神保健、特殊疾病対策などです。環境衛生監視の仕事は、理容所や美容所、クリーニング所、墓地などの許可と衛生指導です。温泉施設などでレジオネラ菌による死亡事件がありますが、空気や水の安全はもとより施設の環境調査も重要な仕事です。
 ノロウイルスや腸管出血性大腸菌(O‐157)による食中毒などの発生時は、食品衛生や保健師とチームで仕事をしています。また、地味な仕事ですが毎日顕微鏡でスギ花粉を数えて報告しており、都のホームページなどで花粉情報を見ることができます。
 保健師は主に対人サービスを行う感染症対策係と地域保健係のほかに、企画調整係と保健医療係に配置されています。感染症対策係は結核や様々な感染症の発生時の早期対応や普及啓発を行っています。新型インフルエンザに備えた関係機関との合同訓練なども行っていますが、現行の保健師3名、医師1名の係体制では到底十分な対応はできません。08人員要求では各所1名の保健師の増員を求めましたが認められませんでした。地域保健係では精神や難病等の事業や相談、訪問活動を行っていますが、家族機能が複雑多様化している中で、対応困難な相談も多く、市や関係機関との連携は欠かせません。

保健所統廃合の歴史

 東京都は、多くの市町村、住民の反対にもかかわらず、この11年間に2度の保健所統廃合を行い、現在は6保健所体制です。また、八王子保健所は07年度に市移管され、町田保健所も移管予定です。
 南多摩保健所は、日野・稲城・多摩の3市を管轄しています。また、八王子市と町田市を含む南多摩保健医療圏の基幹保健所としての機能もあわせ持っているために事務量も多く、広域化と定数削減により一層の困難を強いられています。

住民の願いは保健所の充実

 国の医療構造改革の中で健康の自己責任が強まり、貧困と格差の拡大は健康格差を生み出しています。保健所・公衆衛生の仕事は、すべての人々の健康を守ることが本来の使命です。今日の健康課題は多様化しており、様々な専門職種を配置している保健所の役割はますます重要になっているといえます。
 突発的な問題が起こった時に、その初動態勢がどうだったかが問われます。働く職員は精一杯現場でがんばっているのです。人員削減ありきでは職員の気概はあがりません。ましてや今日の社会情勢の中で縮小することは言語道断です。撤回すべきです。

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