健康 メンタルヘルス講座(27)
メンタルヘルスケア
@セルフケアとは?
今月から5回にわたり、厚生労働省が2000年に打ち出した「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」の中の4つのケアについてふれていきたいと思います。
第1回目はセルフケアです。これは非常に重要ですので2回に分けてお話したいと思います。
セルフケアとは『労働者自身がストレスに気づき、これに対処するための知識、方法を身につけ、それを実施する』ことです。そのため労働者は『研修、情報提供』を受け『心の健康に関する理解の普及』をはかる必要があります。またストレスへの気づきのため『セルフチェックを行う』ことも効果的としています。
これがしっかりとできればよいのですが、なかなかうまくいきません。ひとつの原因として、4つのケアがすべて事業主の義務とされていることが考えられます。事業主は当然積極的研修を受けなさい、ストレスチェックをやりなさいといいます。しかしやらされる方は面倒くさい、やっても意味がないと思ってしまうわけです。これでは意味がありませんね。本来すべての労働者が自分自身の健康を保持するためにどうしたらいいか意見を持ち、共有して実践することが理想的ではないでしょうか。
では実際どのようにすればよいでしょう。まず重要なことは、自身のメンタルヘルスに関心を持つことです。具体的には「自分はどういう性格をしているんだろう」とか「自分はどういうふうにストレス解消しているだろう」などですね。このようなイメージは体調によって大きく変わってきます。例えばすごく楽しい時には自分のことをあまり意識したりはしないと思いますが、落ち込んでいたりすると必要以上に(多くの場合自分を否定的に)意識するはずです。またあの時こうすればといった後悔にさいなまれてしまうこともあるのではないでしょうか。
このようなときだけ意識するのではなく、できれば落ち込んでいない時にほんの少しだけ“今の自分”を意識してみてください。時に大きな発見につながるかもしれません。
(産業医の立場から 宇佐見和哉)
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