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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(26)

ストレスマネジメント
B正常か?異常か?


 精神科診療をしていると、「私、異常なんでしょうか?」と質問されることがあります。そのように質問された患者さんにどうしてそのように思うのか尋ねると、多くの方は「精神科にきてしまったから」と答えます。確かにメンタルヘルスは周知され始めてきていますが、相当の覚悟で受診される方もまだ多くいらっしゃいます。
 よく「うつは心の風邪だ」といわれます。前回お話したとおり、うつ病は気の持ちようではなく病気です。メカニズムもある程度明らかになっています。ですからこの記事を読み続けているみなさんには(読んでいない方はぜひ振り返って読んでみて下さい!)親和性(かかりやすさ)には個人差があるが、誰でもかかりうる病気なのだということをしっかりと理解していただきたいと思います。
 海外では、カウンセリングや精神科受診は一般的に行われています。日本では調子が悪くなり、自分だけでは対応しきれなくなり、多くは症状が出現してから受診されますが、彼らの中には調子が悪くならずとも定期的に相談をすることで、自分の成長に利用される方も少なくないそうです。大きな違いですね。
 ですから日本人もそうならなければいけないのですと、いいたいわけではありません。まず自分で解決しようとするスタンスはとても重要です。厚生労働省も労働者の心のケアにはまずセルフケア(自分自身によるケア)が重要だとしています。ただその際に正常、異常といった考え方は用いないでください。身体疾患がある人を異常だとは表現しないはずです。こころの不調は目に見えて得られる情報は少ないですが、実際に悩んでいることは身体疾患と同じです。
 前述の心のケアには他にラインケア(同僚、上司との連携)、専門スタッフによるケアも同時に存在します。
 今後ますます心のケアは重要になってきます。
 次号からは具体的にどのようにすれば自身のメンタルヘルスが保てるか、それぞれの心のケアに沿ってできる限りわかりやすくお話させていただきたいと思います。

(産業医の立場から 宇佐見和哉)

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