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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

健康 メンタルヘルス講座(21)

職場のメンタルヘルス
Aアルコール依存とは


 前回はアルコールとストレスとの関係について説明してきましたが、今回は「アルコール依存」について簡単に触れてみたいと思います。
 皆さんも職場内でお酒を飲むのが大好きな同僚や、酔って少々度を越してしまう人を、よく『アル中(=アルコール中毒)』と表現することがあるのではないかと思います。では、皆さんの言う「アル中」とわれわれ精神科医が問題にする「アルコール依存症(以下依存症)」とはどこが違うのでしょう。これは大きく2つのポイントに分けられます。
 1つ目は飲酒が状況に応じてすぐに止められるかどうかです。例えば依存症の場合明朝大事な予定があるのにお酒を途中で止められず泥酔するまで飲み続ける、あるいはお酒がないといって家中を探し回るなどの行動が見られます。
 2つ目はお酒を飲んでいない時に落ち着いていられるかどうかです。依存症ではアルコールが切れると不安になったりいらいらしたり、ひどくなると手足の震えや痙攣をおこしたりします。
 精神医学では前者を「精神依存」、後者を「身体依存」と呼び、この2つが依存症を形成します。
 このほかに依存症になると以下のような症状も見られます。
 満足するために必要なお酒の量がどんどん増え(これを耐性といいます)、また、趣味や昔好きでしていたようなことなどへの関心がなくなり、お酒を飲むことにだけ固執するようになります。そして健康診断で肝障害などを指摘され、お酒を飲むことは自分にとって悪いことだとわかっていながら飲むことをやめようとしません。
 そしてこの悪循環が進行していくと社会からは孤立し、身体面でも肝臓や脳の機能障害をきたすなど慢性的に進行し最終的に死へとつながります。
 このように依存症は治療が必要な病気なのだということがお分かりいただけましたでしょうか。
 今回は医学的な内容を中心としてお話をさせていただきました。愛飲家の方にとっては不安の残る終わり方かもしれません。次号では職場においてアルコール問題がなぜ発生するのか、そしてそこから依存症を予防するためにはどのようにすればいいのかといった内容に関してお話したいと思います。
(以下、次号へ)

(産業医の立場から 宇佐見和哉)

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