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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第45回)

心身障害児(者)療育・医療の専門施設
指定管理者制度で適切な療育・医療が確保できるか?
衛生局支部 北療育医療センター城南分園


左から山浦さん、桜井さん、内海さん
左から山浦さん、桜井さん、内海さん
緑に囲まれた城南分園
緑に囲まれた城南分園
忙しく駆け回る師の左雨さん
忙しく駆け回る師の左雨さん
診療受付窓口 医師は欠員状態が続く
診療受付窓口 医師は欠員状態が続く
重症心身障害者の通所施設は医療的ケアも必要
重症心身障害者の通所施設は医療的ケアも必要
昼食は個々人に適した食事を用意
昼食は個々人に適した食事を用意
 梅雨明けを思わせる7月25日、東急池上線の洗足池駅から歩いて10分の都立北療育医療センター城南分園を訪問し、山浦さん、内海さん、桜井さんにお話を伺いました。この職場は心身障害児(者)の療育・医療を専門的に行う児童福祉施設です。2歳から就学前の児童が通園する「肢体不自由児通園施設」と在宅の18歳以上の心身障害者が通う「重症心身障害児(者)通所施設」、心身障害児(者)を対象とする「外来診療」を行っています。

1人1人にゆきとどいた食事と個別指導等
 3階は温水プールが設置されており、水泳には高めですが水温32〜3度で365日利用できます。月曜から木曜の午後は、地域の約10の障害児をもつ親のグループに無料で開放しています。2階は保育室、理学・作業療法室、調理室などで、保育室は4部屋あり、主に年齢別のクラス単位で保育を行っています。看護師3人と保育士7人で通園を担当していますが、看護師は外来も担当します。常勤の医師のほか、理学療法士4人(うち非常勤1人)、作業療法士1人、言語聴覚士1人、心理1人が通園と外来を対象に働いています。毎週水曜日の午前中には外来の障害児を対象に、保育を行う外来グループを行っており、その後通園にスムーズに入るための準備となっています。理学・作業療法室は通園と外来が対象で、障害児が日常生活に不自由なく過せることを目的に、個別指導を行っています。調理室には、調理士2人(うち再任用1人)、栄養士1人、パート1人で1日30〜40人分の食事(昼食のみ)をつくっています。個人個人の摂食機能に適した食事を提供するため、普通食・粗刻み食・小刻み食・粗ずり練習食・粗ずり食・すりつぶし食・うらごし食と7種類の食形態に再加工しています。
 そのほか、言語指導室・心理指導室・個別指導室・聴力検査室があります。1階は外来、事務室、通所のディケア室などがあります。薬剤科は常勤の薬剤師が1人おりますが、定数上の配置はありません。医師の定数は2人ですが、現在は1人が欠員となっており、園長(医師)が診療にあたっています。他に非常勤医師と本院からの兼務医師で診療を行っています。事務室には、事務・MSWなど7人が配置されています。通所は、看護師2人(ほかに非常勤看護師1人)、保育士4人、理学療法士1人の構成となっています。通所にはディケア室のほか浴室があり、週2回入浴サービスを行っています。施設を利用する障害児(者)は、主に大田区・品川区・港区・世田谷区・目黒区の在住の方が対象で、通園バスは2台、通所バスは3台で送迎を行っています。通所の利用者は重症心身障害者で、ADLは全介助であり、医療的ケアが必要な人も多く、人工呼吸器を装着している人も3人います。職員は通所生2人に対して1人の割合で配置されていますが、休暇の取得も困難な状況にあります。
 通所の日数は最高で週4日で、1日当りの受入れ可能な定員は15人です。登録者が多くなってきているため、定員を20人に拡大する準備を行っています。職員定数が付けば20人まで受入れ可能となります。

なぜブランチから指定管理者制度導入なのか?
 平成20年4月から指定管理者制度が導入される予定になっています。しかし、指定管理者制度導入の経緯や北療育医療センターのブランチのまま指定管理者制度を導入することの説明は特にありません。利用者も不安を感じています。
 自立支援法により措置費から実績払いの支援費となり、民間施設の経営は大変になっていると聞いています。通園は昨年10月から、措置から契約制度に移行しました。いままでより負担増となった利用者もいらっしゃるようです。児童福祉法により「肢体不自由児通園施設」は最低基準として診療所の機能を備えることとされており、常勤の医師や看護師、各療法士等の医療従事者が必要です。指定管理者制度のもとでは、医師をはじめとする医療従事者の確保について危惧されるところです。

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