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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第42回)

物流拠点としての東京湾を守る
港湾支部 東京港管理事務所東部地区ふ頭係

左から富田さん、土谷さん、飯塚さん
左から富田さん、土谷さん、飯塚さん
有明10号地ふ頭上屋2階に事務所があります
有明10号地ふ頭上屋2階に事務所があります
 東京臨海高速鉄道(臨海線)国際展示場駅からタクシーで5分程度にある、東京港管理事務所ふ頭運営課東部地区ふ頭係を訪ねました。
 東京港の歴史は古く、江戸庶民の台所に必要な物資の流通拠点としての江戸湊(前身)は、重要な役割を果たしてきました。1923年、関東大震災で陸上交通網が崩壊したことから、東京港の重要性が認識され、ふ頭の建設が本格的に進められ1941年5月20日、念願の開港が実現しました。太平洋戦争突入後の一時期は、本来の港湾機能を果たさないまま停止状態となった時もありましたが、戦後は国内産業の復興とともに港湾施設の整備が急がれ、相次いで豊洲や晴海ふ頭などが建設されました。
 1965年以降は本格的なコンテナ輸送革命時代となり、東京港はいち早くコンテナ化に対応してきました。1967年、日本ではじめてのコンテナバースを品川ふ頭に完成させ、それを契機に東京港は国際貿易港として飛躍的な成長を遂げることになりました。
 その後も最新鋭の港湾施設や、物資別専門ふ頭やフェリーふ頭の整備など、時代の新しい要請に応えてきています。食品をはじめとする輸入物資や金属機械工業品など首都圏4000万人の生活を支える重要な役割を担っています。
 06年3月に策定した「東京港第7次改訂港湾計画」では、コンテナふ頭の新規整備、高機能物流拠点の形成などスーパー中枢港湾として、さらに強化・拡充を図っていく計画となっています。

沖縄と結ぶフェリー「ありあけ」も停泊
沖縄と結ぶフェリー「ありあけ」も停泊
年代ものの軽自動車が活躍しています
年代ものの軽自動車が活躍しています
倉庫の入り口には防潮扉が設置されています
倉庫の入り口には防潮扉が設置されています
安全確保のために活躍するふ頭係

 有明10号地ふ頭1号上屋2階にある事務所で、ふ頭係の仕事について、飯塚さん・土谷さん・富田さんにお話を伺いました。東部地区で担当しているふ頭は、事務所のある有明10号地のほか青海ふ頭、若洲、辰巳、さらには中央防波堤内側埋立地に至るまで広範囲にわたっています。ふ頭係の仕事は、港湾法、条例、施行規則その他関係法令の規定に基づいて、ふ頭や施設の管理運営、使用料等の徴収を中心に行っています。事務分掌ではひとくちに「施設の管理運営」となっていますが、その実態は、有明では上屋だけでも6棟管理していて、かなり老朽化が進んでおり、雨漏りの被害状況の確認、照明灯の球切れの対応、シャッターの損傷の確認、防潮扉の破損の確認、トイレのつまりの修理、さらには野積場フェンスの破損確認、構内通路の損傷確認、貨物の通路へのはみ出しがないかなど、施設を適切に管理し安全かつ良好な状態で利用者に提供できるよう、毎日巡回を行っています。配備された3台の庁有車で、広い構内を巡回していますが、いずれも年代物で、車検など法令上はクリアしていても、日々のメンテナンスを怠ると、大型コンテナ車やクレーン車などが行き交う構内では、とても危険な状況です。『国際競争力の強化に向けて、設備や機能の強化を図っていても、そこで働く職員の安全を第一に考えなければ、スーパー中枢港湾と言えない』そんな職員のつぶやきが聞こえてきそうな3台の庁有車でした。

東京港発展のためにも適切な人員配置を

 東部地区ふ頭係も、かつては多いときで20名近くの職員がいましたが、相次ぐ定数削減の結果、現在では7名の職員で広い構内を管理しています。飯塚さんは「以前は、一日3回巡回しましたよ。だから、これは誰が壊したか、いつ壊れたかもよく分かったし、すぐに対応出来ましたよ。今の人数じゃ、とても以前みたいには出来ませんよ」と、語ってくれました。夕暮れ時にさしかかり、停泊していた「ありあけ」が荷役作業を終え、沖縄に向け出航する姿を見ながら事務所を後にしました。
 「雨の日の通勤が大変なんです。必ず風が出て、傘がさせないんです」「でも、船が好きで船を身近に感じる職場に、という念願叶って、楽しく仕事をしています」と、語ってくれた富田さんの笑顔が忘れられない職場訪問でした。

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