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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第41回)

仕事を助け生涯学習を支える都立図書館
教育庁支部 日比谷図書館


左から米長さん 小山さん
左から米長さん 小山さん
 桜の蕾もふくらみ、木々の芽がふきはじめる3月22日の午後に、日比谷公園の中にある都立日比谷図書館を訪ねました。4階の部屋で、相談カウンター当番を終わったばかりの小山さんと遅番でこれから相談カウンターに入る米長さんのお忙しいお二人からさっそくお話を伺いました。

 

個人貸出する唯一の都立図書館

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 日比谷図書館は都立図書館では唯一の個人貸出をしている図書館です。利用対象者は、都内在住・在勤・在学の方で、現在4万人弱の方が登録しています。
 霞が関・虎ノ門のすぐ近くという場所柄、仕事で使う利用者が多いのも日比谷図書館の特徴になっています。また、年鑑や白書・辞典類といったいわゆるレファレンスブックの貸出を行っている図書館は他にはあまりないので、これも日比谷図書館の特徴といえると思います。
 ただ、残念なことに2001年の耐震工事以降資料の購入予算が削減されてしまい、利用者のリクエストになかなかお応えできていない状況です。本の購入も利用の多い法律・経済といったビジネス関係の本と貸出の多い小説が中心になっていて、なかなか新しいものが買えていない分野もあります。

 

委託導入のなかで利用者に責任を負う対応

いそがしい事務室
いそがしい事務室
蔵書の中で工夫して企画展示
蔵書の中で工夫して企画展示
本の修理も大事な仕事
本の修理も大事な仕事
 日比谷図書館は05年度からサービス部門に委託が導入されました。現在、図書の貸出・返却と利用者の登録(貸出カードの作成)、CD等の視聴覚資料の貸出・返却、新聞の閲覧準備、図書の修理などの業務を委託しています。朝の整架(書棚の本の乱れを直し、あるべき場所に収める作業)も委託業務に入っているので、職員は以前に比べると図書に触れる時間が減ってしまった気がします。委託導入前は管理部門1係とサービス部門3係合わせて職員は26名、嘱託員は31名いましたが、現在は管理部門サービス部門各1係ずつで職員18名、嘱託員11名と半減してしまいました。
 カウンターでは職員は相談業務をおこなっています。以前は図書・新聞雑誌・視聴覚と3係がそれぞれやっていたカウンターを1係で受け持つことになったので、初めのうち覚えることが多くて大変でした。
 その他の仕事としては、図書の予約処理、未返却資料の督促、新着図書の紹介、雑誌の寄贈依頼、データ入力、新聞の管理、映画会の企画、CDの購入等があります。日比谷図書館で所蔵している本を使った「テーマ展示」(3階展示スペースに100冊余を展示、このときはちょうど日本映画、小津安二郎、黒澤明監督の展示が行われていました)や検索パソコンの使い方を案内する「検索講習会」(週1回開催)等利用者に対する働きかけもいろいろおこなっています。

 

人材育成と図書館サービスの充実を

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閲覧や貸出しを待つ新聞や16mm映画
閲覧や貸出しを待つ新聞や16mm映画
 2006年8月に教育委員会から「都立図書館の具体的方策」が出され日比谷図書館は千代田区に移管されるとのこと。この交通の便の良い一等地にある都立図書館を手放すのはとてももったいないと思います。
 また、都立の中心館である中央図書館はワンストップサービス方式を導入、多摩図書館は「マガジンバンク」にする、という大改革がおこなわれようとしています。これが本当に利用者のためになるのならよいが…というところです。
 司書の新規採用もしばらく行われておらず、後進を育てることによって、自らも成長するという機会がないことは、とても残念です。先輩方から受け継がれてきたレファレンス技術の蓄積が継承されていかないことは都立図書館にとって、非常に大きな損失です。インターネットでは探し出せない情報はまだまだたくさんあるのです。
 最後に新聞室、雑誌室、人文科学室、社会自然科学室、展示コーナー、本の修理をしているところや16ミリ映画フィルム9、800本のケースがずらっと並ぶ棚も見学させていただき、職場を後にしました。

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