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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第40回)

廃棄物の最終処分を一手に引き受ける
都市整備環境支部 廃棄物埋立管理事務所


熱心に語る渡辺分会長
熱心に語る渡辺分会長
海上から見た埋立管理事務所
海上から見た埋立管理事務所
 臨海線東京テレポート駅から都バスで10分程度のところにある、東京都廃棄物埋立管理事務所を訪ねました。渡辺分会長に、さっそく中防(中央防波堤埋立処分場)を案内していただきました。車で、管理事務所が所有する船「のぞみ」が停泊してある揚陸場まで移動し、田中船長の操縦する「のぞみ」に乗船し、海上より1977年から埋立開始した中央防波堤外側埋立処分場(東京ドームの約67倍)、1998年から埋立開始の新海面処分場(東京ドームの約103倍)を約30分ほど船に揺られながら、新海面処分場の先端部分を回って、元の揚陸場に戻ってきました。
 埋立処分場の見学者は、小学校の社会科見学に組み込まれていることもあって2005年度には5万人を超えました。

 

埋立処分場の歴史

中防処分場の全景(案内パンフより)
中防処分場の全景(案内パンフより)
廃棄物をおろすと鳥が群がる
廃棄物をおろすと鳥が群がる
看板作業は職人芸
看板作業は職人芸
出番を待つ案内
出番を待つ案内
廃棄物の受付に並ぶダンプ
廃棄物の受付に並ぶダンプ
 東京のごみ埋立ての歴史は古く、今から340年以上も前から、人口増加によるごみの処分先の確保が問題となっていました。明治の中ごろからは、ごみ処理が東京市の仕事として位置づけられ、内陸埋立てと海面埋立てが開始されました。昭和に入って、現在の江東区潮見に8号地埋立てが開始されました。この時期は野ざらしされたごみに火をつけて燃やす「野焼き」方式がとられていて、煙や粉塵への苦情が相次いだため、それ以降は行なわれなくなりました。1957年には「夢の島」の愛称で知られる14号地の埋立てが始まります。ここでは、ねずみやハエが大量発生して社会問題化しました。1965年から、今はゴルフ場やキャンプ場で親しまれている若洲15号地の埋立てが始まり、1973年には東京港中央防波堤内側に位置する、中央防波堤内側埋立処分場の埋立てが開始されました。この頃から環境保全対策が強く求められるようになり、浸出水による海域汚染防止のために護岸を本格的な遮水構造にしたり、浸出水処理施設も設けられました。1977年からは、現在も使用している中央防波堤外側処分場の埋立てが始まります。増加する一方のごみ量に対して埋立て処分場の確保が難しくなり、1998年からは23区最後の処分場と言われる新海面処分場への埋立てが始まっています。
 埋立管理事務所では、新海面処分場の延命化に最大限努力することや緑化など自然環境づくりに努力することを柱とする「環境方針」を定めて都民や関係者に向け発信しています。

厳しい環境下で安全もとめて

 次に、車で山(処分場)にむかう途中、希釈場、工作作業場に立ち寄りました。そこでは、職員が型紙をくり抜いて、案内標識を作成していました。「先輩から教わり、毎日やってるうちに何とかさまになりました」と、にこやかに語ってくれました。交通信号も何もない場内を安全に走行してもらうために、なるほど無くてはならない標識であると、そのあと車で走って良く分かりました。
 山(処分場)は、廃棄物の種類によって分けられており、そこへたどり着くまでの案内(看板)が完璧に設置され、道路も整備され見学コースも造られていました。
 山の至る所に待機小屋が設置され、数人ずつ配置された職員が、ひっきりなしにやってくるダンプを誘導しながら、てきぱき作業をこなしていました。ダンプが廃棄物を降ろすたびに、カラスやかもめが群がり、風に乗ってごみも散乱していました。
 再び車に乗って場内を回ると、あちらこちらに職員の手による植樹と思われる緑の木立をみることも出来ました。あまりに広大な山(処分場)のため、職員が作業する散水車やユンボ(油圧ショベル)、ブルドーザーが豆粒の様でした。
 山を後にし、管理事務所に戻って、車の整備工場・木工作業所、10階の見学コースを見せていただきました。
 渡辺分会長は「処分場の作業職員も退職不補充が続いて、10年前と比べ今では5分の1になってしまいました。将来はどうなるのでしょう」との言葉に同じ思いを感じながら、ふだんあまり考えないごみ問題を自分に問いながら、管理事務所を後にしました。

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